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コラム

跡継ぎ遺贈型受益者連続信託とは(2)

2017.10.25
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前回の記事で「跡継ぎ遺贈型受益者連続信託」の概要について解説しましたが、「永遠に承継先を指定できるのか?」という疑問がわいてきたかもしれません。

今回は跡継ぎ遺贈型受益者連続信託の期間制限を確認し、理解を深めるために具体的な承継事例をみていきましょう。

跡継ぎ遺贈型受益者連続信託の期間制限

跡継ぎ遺贈型受益者連続信託は遺産を承継する人を何代も先まで指定することができます。

しかし、無条件で行っていては受託者の負担も増すことから、30年の期間制限が定められています。期間制限は「跡継ぎ遺贈型受益者連続信託を設定してから30年間経過した後で、初めて受益者となった人が死亡した時点」です。

例えば二次受益者に子供、三次受益者に孫、四次受益者に曾孫を設定したとしましょう。

二次受益者である子供が亡くなった時点で、跡継ぎ遺贈型受益者連続信託が設定されてから31年経過していた場合、孫は受益者になれますが、曾孫は期間制限で受益者にはなれません。要は跡継ぎ遺贈型受益者連続信託から30年を経過すると、1回しか受益者を承継することができなくなるのです。

まだ生まれていない人でも受益者として設定できる跡継ぎ遺贈型受益者連続信託ですが、期間制限が30年しかないことを覚えておきましょう。

跡継ぎ遺贈型受益者連続信託を利用した承継例

例1.旧家の承継

Aさんは代々受け継がれてきた自宅を長男に譲ることを考えていました。そして代々、長男に引き継いで貰いたいと考えていました。

そこで遺言書を作成して、自分の死後は自宅を長男へ譲ることを記載したのです。しかし、考えてみるとこれでは自分の死後、自宅は息子に渡りますが、息子が亡くなった場合、自宅は息子の妻が相続する可能性があり、自分の目的が果たせないことに気が付いたのです。

そこで専門家に相談したところ跡継ぎ遺贈型受益者連続信託を教えてもらい、委託者兼一次受益者を自分、二次受益者を息子、そして三次受益者を孫に設定しました。これにより息子が亡くなった場合には、孫が受益者となり自宅を承継することができます。

例2.子供のいない夫婦の承継

Bさん夫婦には子供がいません。Bさんが亡くなった場合には、全ての財産を妻が相続します。そして妻が亡くなった場合には遺産を兄弟ではなく、福祉団体へ全て寄付したいと考えています。

そこで跡継ぎ遺贈型受益者連続信託を利用して、二次受益者を妻、三次受益者を福祉団体に設定しました。これで妻が亡くなった時点で残った遺産は、福祉団体へ寄付されることになります。

例3.意図しない人に遺産が渡るのを防ぐ

Cさんには子供が1人いますが、孫はいません。自分の所有する土地は子供が相続しますが、このまま孫ができないと子供が亡くなった時点で、土地は子供の嫁が相続することになり、嫁が亡くなった時点で嫁の親族が相続する可能性が出てきます。

Cさんとしては孫が生まれない場合には、血族である甥に相続して貰いたいことから、跡継ぎ遺贈型受益者連続信託で甥を受益者に設定して土地が嫁の親族へ渡らないようにしました。

このように子供がいない相続では、遺産が全く意図しない人に渡ってしまう可能性もあります。跡継ぎ遺贈型受益者連続信託を利用することで、そのような事態を防止することも可能です。


被相続人の意思で先々の承継先が指定できる、という点で、跡継ぎ遺贈型受益者連続信託にメリットがあるということがわかったかと思います。しかし、メリットがあるのであれば当然デメリットも存在するもの。

次回の記事で跡継ぎ遺贈型受益者連続信託のデメリット、について確認をしていきましょう。

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