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コラム

跡継ぎ遺贈型受益者連続信託とは(1)

2017.10.23
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将来自分が死んだ時に、保有する資産の行方が気になることがあります。一般的には相続により、配偶者や子供などの近親者が受け継ぐことになりますが、それが亡くなった人(被相続人)の意思に合致しないこともあります。それを解消するのが「遺言」ですが、実は遺言の制度も完璧ではなく限界があることをご存じでしょうか。

例えば遺言では自分が亡くなった直近の遺産承継(一次承継)はできますが、それ以降の承継(二次承継以降)については効力を持ちません
つまり遺言では一次承継は指定できても、二次以降の承継を指定することはできないのです。そこで遺産の相続を被相続人の意思で、順次に指定する方法があります。それが「跡継ぎ遺贈型受益者連続信託」制度です。

跡継ぎ遺贈型受益者連続信託とは何か

「信託」とは「信頼して託す」との意味ですが、自分(委託者)の財産を信頼できる人(受託者)に管理させて、委託者や委託者が指定する人(受益者)に財産を提供することです。この信託制度を遺産承継に活用したのが跡継ぎ遺贈型受益者連続信託になります。

遺言書を書くことにより自分の意思で一定の遺産を承継させることは可能ですが、それはあくまで一次的な相続に限ります。
例えば「自宅は長男が相続すること。また長男が亡くなった後は長男の息子(孫)が相続すること」と遺言書に記載しても、一次相続である長男の部分は有効ですが、二次相続に当たる孫の部分は無効です。つまり、遺言では遺産を代々引き継がせる効力はありません。

そこで跡継ぎ遺贈型受益者連続信託を活用することで、一定の範囲内で遺産の承継を二次相続以降も指定することができます。つまり跡継ぎ遺贈型受益者連続信託を設定することで、自分の遺産を何代か先まで指定することができるようになるのです。

跡継ぎ遺贈型受益者連続信託は信託を設定する人(委託者)が、受託者に資産を信託して自分を委託者兼一次受益者に設定します。そして二次受益者、三次受益者、四次受益者…と指定することで、自分が死亡した後の遺産の道筋を設定します。

受託者には信頼のおける親族や弁護士、司法書士などがあたり、厳格に資産を管理しなくてはいけません。

受益者にはまだ生まれていない孫でも設定可能

一般的な相続では相続人は相続時点で現存していなくてはいけません。
つまり相続発生時に生きている必要があるのです。しかし跡継ぎ遺贈型受益者連続信託の受益者には、信託設定時に生まれていない孫や曾孫を設定することが可能です。息子を二次受益者、まだ生まれていない孫や曾孫を三次、四次受益者として設定することが可能です。

また受益者の設定には回数の制限がないので、五次受益者、六次受益者…と無制限で設定することも問題ありません。


ここまで跡継ぎ遺贈型受益者連続信託の要点を説明してきましたが、永遠に受益者の設定はできるのか?という疑問がわいてきたかもしれません。

次回の記事では期間についての解説と、理解を深めるために具体例を紹介していきます。引き続きぜひご覧ください。

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