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コラム

贈与税の基本をおさえよう(2)

2018.11.21
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前回の記事では贈与税の課税方法のひとつめ、「暦年課税」について解説しました。暦年贈与を行う場合は年に110万円までの基礎控除があることを押さえておきましょう。

今回は「相続時精算課税制度」について解説していきます。

贈与税の課税方法

②相続時精算課税制度(そうぞくじせいさんかぜいせいど)

暦年課税とは別に、一定の要件を満たすことで利用できる相続時精算課税制度もあります。

これは、父母や祖父母など一定の尊属から子や孫など一定の卑属に対してする贈与について、贈与者が死亡し相続が発生するまでの間に最高2500万円までの控除枠を利用できるものです。

この控除枠に収まれば贈与税はかかりませんが、相続発生時には本制度を利用してなされた贈与額は相続財産に加味されて相続税の対象にされます。

これにより、贈与税より低い相続税の税率が適用になることや相続税の基礎控除の効果などによって税負担の軽減を期待できます。

消費が盛んな若い世代に財産を移転しやすくするために設けられた制度ですが、必ずしも暦年課税制度より有利になるとは限らないので、利用を検討する場合は税理士等専門家のアドバイスを受ける必要があります。

相続時精算課税制度は要件を満たせば任意で選択することができますが、一度選択すると暦年課税に戻ることができなくなることは要注意です。

相続時精算課税制度を利用する場合は、納税額がないときであっても贈与年の翌年の2月1日~3月15日までに、税務署に対して申告手続きが必要になります。

贈与税の特例制度にはどのようなものがある?

贈与税にもいくつか特例があります。

前提としてそれぞれ必要な要件を満たさなければ利用できませんが、ここで代表的なものの概要をおさえます。

①配偶者控除

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産または居住用不動産の取得資金の贈与がなされた場合には、贈与税の基礎控除の他に最高2000万円まで控除が可能です。「おしどり贈与」と呼ばれることも多い制度です。

贈与された居住用不動産または贈与された金銭で取得した居住用不動産には、贈与年の翌年3月15日までに現実に住んでおり、その後も住み続ける見込みがなければなりません。

また同じ配偶者からは一生に一度しか適用を受けることができません。

②住宅取得資金贈与

平成33年3月31日までの間に、父母や祖父母などの尊属からマイホームの新築、取得、増改築のための費用を贈与された場合に、その贈与年や省エネ住宅か否かの別に応じて最高1200万円(消費税が10%の場合は最高3000万円)まで非課税にすることができます。

贈与をする側は親や祖父母などの直系尊属でなければなりません。

贈与を受ける側はその直系卑属でなければならず、また贈与年の1月1日時点において20歳以上でなければなりません。


上記各特例を利用するには必ず税務署への申告が必要で、それぞれ一定の添付書類等が必要になります。

まとめ

今回は贈与税の概要を見てきました。

原則の暦年課税における基礎控除を利用すると、毎年110万円ずつの生前贈与によって相続対策を試みることが可能ですが、実際にはポイントを踏まえながら慎重に進めることが必要になります。

下手をすると非課税を予定していた贈与財産に課税されてしまう恐れがあるので、生前贈与による相続対策は税理士等の専門家に相談しながら進めることが肝要です。

贈与税は元々相続税逃れをけん制することが目的であるため、相続税よりも税率が高い点に留意して不要な税金がかからないようにしてくださいね。

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