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コラム

贈与税の基本をおさえよう

2018.11.14
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相続税と非常に関連の強い税金に「贈与税」があります。

贈与税は元々相続税逃れをけん制するためにできた税目ですが、相続対策として生前贈与が検討されることもよくあるので、相続税だけでなく贈与税についても基本をおさえておく必要があります。

今回は贈与税の概要を確認していきます。

そもそも贈与税とはどのような税金なのか?

贈与税は財産的価値が人から人へ移転するシーンを捉えて、その財産を貰い受けた人に課税される税金です。

贈与は無償で財産を譲り受けることができるので、これを一種の「儲け」とみなし、これを課税対象にするわけですね。

ただし贈与税は「個人から個人へ」の財産移転の際に対象になるものですので、個人から法人へ、あるいは法人から個人への財産移転は原則として贈与税ではなく他の税目の対象になります。

贈与税の対象になる財産は現金だけでなく不動産や有価証券、その他財産的価値のあるものが含まれてきます。

例えば借金を免除してもらうと債務者はその分の負担が無くなります。

これを、債権者が債務者に債務相当額を贈与したとみなし、債務者側に「債務免除益」が発生したと考えて、当該免除益相当額が贈与税の対象になることもあります。

このように、有形無形を問わず財産的価値のあるものが贈与税の対象に入ってきます。

贈与税の課税方法

①暦年課税(れきねんかぜい)

贈与税は原則として暦年課税方式によって課税されます。

これは、毎年1月1日~12月31日までの贈与について贈与税の課税対象にするものです。

暦年課税には年間110万円までの基礎控除が用意されているので、贈与を受ける人を単位として年間110万円以下の贈与であれば贈与税はかかりません。

この基礎控除を利用した生前贈与が相続対策としてよく検討されます。

基礎控除を超える額については、一定の税率をかけて贈与税額を算出します。

贈与税率は以下の税率で計算します。「誰に対する贈与か」によって、税率が変わってきます。

① 20歳以上の方が直系尊属から贈与を受けた場合の税率構造(祖父母から孫へ、両親から子へ等)

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

② 上記①(20歳以上の方の直系尊属からの贈与)以外の贈与財産の税率構造

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 40% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

出典:国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

基礎控除以内の贈与に収まれば贈与税の確定申告は不要ですが、これを超えて申告が必要になる場合は贈与年の翌年2月1日~3月15日までに確定申告の手続きが必要です。


ここまでは贈与税の課税方法のひとつめ、「暦年課税」について解説しました。暦年贈与を行う場合は年に110万円までの基礎控除があることを押さえておきましょう。

今回は「相続時精算課税制度」について解説していきます。

贈与税の課税方法

②相続時精算課税制度(そうぞくじせいさんかぜいせいど)

暦年課税とは別に、一定の要件を満たすことで利用できる相続時精算課税制度もあります。

これは、父母や祖父母など一定の尊属から子や孫など一定の卑属に対してする贈与について、贈与者が死亡し相続が発生するまでの間に最高2500万円までの控除枠を利用できるものです。

この控除枠に収まれば贈与税はかかりませんが、相続発生時には本制度を利用してなされた贈与額は相続財産に加味されて相続税の対象にされます。

これにより、贈与税より低い相続税の税率が適用になることや相続税の基礎控除の効果などによって税負担の軽減を期待できます。

消費が盛んな若い世代に財産を移転しやすくするために設けられた制度ですが、必ずしも暦年課税制度より有利になるとは限らないので、利用を検討する場合は税理士等専門家のアドバイスを受ける必要があります。

相続時精算課税制度は要件を満たせば任意で選択することができますが、一度選択すると暦年課税に戻ることができなくなることは要注意です。

相続時精算課税制度を利用する場合は、納税額がないときであっても贈与年の翌年の2月1日~3月15日までに、税務署に対して申告手続きが必要になります。

贈与税の特例制度にはどのようなものがある?

贈与税にもいくつか特例があります。

前提としてそれぞれ必要な要件を満たさなければ利用できませんが、ここで代表的なものの概要をおさえます。

①配偶者控除

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産または居住用不動産の取得資金の贈与がなされた場合には、贈与税の基礎控除の他に最高2000万円まで控除が可能です。「おしどり贈与」と呼ばれることも多い制度です。

贈与された居住用不動産または贈与された金銭で取得した居住用不動産には、贈与年の翌年3月15日までに現実に住んでおり、その後も住み続ける見込みがなければなりません。

また同じ配偶者からは一生に一度しか適用を受けることができません。

②住宅取得資金贈与

平成33年3月31日までの間に、父母や祖父母などの尊属からマイホームの新築、取得、増改築のための費用を贈与された場合に、その贈与年や省エネ住宅か否かの別に応じて最高1200万円(消費税が10%の場合は最高3000万円)まで非課税にすることができます。

贈与をする側は親や祖父母などの直系尊属でなければなりません。

贈与を受ける側はその直系卑属でなければならず、また贈与年の1月1日時点において20歳以上でなければなりません。


上記各特例を利用するには必ず税務署への申告が必要で、それぞれ一定の添付書類等が必要になります。

まとめ

今回は贈与税の概要を見てきました。

原則の暦年課税における基礎控除を利用すると、毎年110万円ずつの生前贈与によって相続対策を試みることが可能ですが、実際にはポイントを踏まえながら慎重に進めることが必要になります。

下手をすると非課税を予定していた贈与財産に課税されてしまう恐れがあるので、生前贈与による相続対策は税理士等の専門家に相談しながら進めることが肝要です。

贈与税は元々相続税逃れをけん制することが目的であるため、相続税よりも税率が高い点に留意して不要な税金がかからないようにしてくださいね。

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