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コラム

相続税の納税資金対策(2)

2017.5.1
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前回の記事でお伝えしたとおり、相続税は被相続人が亡くなってから10か月以内に現金で一括払いが原則です。納税資金対策として、ここまで「貯蓄」と「生命保険」の活用について解説してきました。今回は、さらに4つの対策方法について説明していきます。見ていきましょう。

納税資金対策の方法

納税資金2

(3)金融機関からの借入れ

相続財産からどうしても納税資金が確保できない場合には、金融機関からの借入れを検討する場合もあります。

売却したい不動産があり短期間のうちに売却をすると不利になるために、不動産の処分を前提に借入を行う場合には良い方法といえるでしょう。選択する金融機関にもよりますが、低金利時代である現在は借入れをしやすい環境ともいえます。

ただし、継続した収益がなく処分できる資産もないといった状況では、借入れをしたとしても返済していくことができません。借入れをするときには、返済期間や利率に注意して現実的な返済計画がなければ、金融機関の審査が通らず借入れ自体をすることができないこともあります。

(4)不動産の売却

不動産がある場合には、相続時の納税資金に備えて不要な不動産を事前に売却することもできます。ただし自分で居住していなくても賃貸している不動産を売却してしまうと、継続的な収益を失ってしまいます。また、相続が発生しそうだからということで慌てて不動産を売却しようとすると、不利な値段で売却をしなくてはならないこともあります。

売却したい不動産がある場合には早い段階から検討し、なるべく有利な売却をすることが大切です。また、不動産を売却して利益がでる場合には、譲渡益に対して所得税がかかります。譲渡所得の計算は、不動産の所有期間、居住用の場合は買い替えをするかどうかなどによって税金が変わってきますので、所得税にも注意する必要があります。

(5)自社株を所有している場合

会社オーナーが自社株を所有している場合、自社株の評価額を引き下げ納税額自体を減らす対策として、計画的に退職金を支給することが考えられます。退職金の金額で税法で認められる金額には一定の計算式があり、役員報酬、在籍期間により計算されます。一般にオーナーの在籍期間は長いので退職金の計算をすると大きな金額になり、自社株の評価額を引き下げることができます。

ただし退職金が現金で支払われた場合には退職所得としての所得税が課税されること、退職金がそのまま相続財産として残る場合には相続税がかかることに注意しなければなりません。また、経営状態がよくない場合には多額の退職金は経営を圧迫する場合もあります。

(6)生前贈与

相続対策で生前贈与が行われることがあります。

計画的に生前贈与を行うことで、相続財産を減らすことができ、相続人にとっては納税資金として貯蓄しておくことができます。生前贈与を考える場合にも、生前贈与の方法や金額など注意しなければならない点があります。

相続税の支払い方法

相続税の支払い方法には、現金で一括して支払うという方法のほかに、相続税の支払い時期を遅らせてもらう延納(えんのう)という方法や、現金ではなく不動産を直接国に納める物納(ぶつのう)という方法もあります。

延納を認めてもらうには担保などが必要になり、利子税もかかってしまいます。物納をする場合には、相続税と同額の不動産がない場合には土地を分筆しなければならなくなりませんし、分筆などの方法をとることができない場合には、売却とみなされ所得税がかかります

物納には良い面もあって、なかなか売却できないような不動産を処分することができます。不動産を普通に売却したときにかかる譲渡所得に対する所得税もかかりません。現金で支払うほうがよいのか物納のほうがよいのかはケースによりますので、相続に強い税理士のアドバイスのもとに検討する必要があります。

まとめ

相続税の納税対策は、どの方法が一番良いという方法はなく、ケースにより異なります
シミュレーションをするには複雑な計算が必要になりますし、予想される相続に状況によって相続税が安くなることだけを考えればよいのではなく、残された被相続人の生活について考えながら対策をしていく必要があります。

このような相続対策は、相続専門の相続に強い税理士に相談することがのぞましいでしょう。信頼できる税理士であれば、それぞれの事情に応じて一番良い方法をアドバイスしてくれます。

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