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コラム

相続税の納税資金対策(1)

2017.4.27
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相続時に相続税を払う必要があるとき、相続税は原則として現金で期限までに一括で払う必要があります。相続財産はあっても不動産が多くて相続税を払うのに不安がある、という方も多いのではないでしょうか。

相続対策をするときには、納税資金対策も考える必要があります。今回は納税資金対策について考えてみます。

納税資金対策はなぜ必要なのか

納税資金1

相続税は原則として、相続開始つまり被相続人が亡くなってから10か月以内に、現金で支払う必要があります。短期間に現金を用意して支払う、ということは予想外に大変なことです。例外として延納物納という方法もありますが、これは後のほうで解説します。

特に資産家の場合には、相続財産の多くが不動産や自社株で構成されています。居住用として家族が住んでいる家や土地を売ろうと思うと、引越しなど生活自体を見直さなければならなくなってしまいます。
賃貸している不動産の場合には賃貸収入がなくなってしまいますし、まだ借金が残っている場合もあります。自社株の場合には経営権の問題があります。売ることができたとしても時間がかかりますし、短期のうちに売ろうと思うと安い値段でしか売れずに不利になってしまうこともあります。中には、相続税を払うためにやむを得ず借入をするといったケースもあるのです。

いざ相続が発生したときに納税資金に悩まされないためには、長期的な視点で早い段階から納税資金対策を含めた相続対策をしていく必要があります。

納税資金対策の方法

相続発生にそなえて納税資金対策をするには、どのような方法があるのか具体的に解説していきます。

納税資金対策にはいくつかの方法があり、予想される相続状況にあわせて長期的に対策をしていく必要があります。実際には誰が相続するのか、どのような相続財産があるのか等を検討し、納税対策となる方法を選択して実行していくわけですが、これには財産の評価や相続税の試算等も必要で複雑な作業となります。

信頼できる相続に強い税理士に相談してアドバイスを受けながら、納税資金対策をしていくことをおすすめします。

(1)貯蓄財産を利用する

納税資金対策として一番に考えられるのが、相続開始までに預金などで貯蓄していた資金で相続税を支払うことです。

事前の対策としては、相続税額を予想しその金額になるくらいの貯蓄をしていきます。会社員であれば、年金積立や退職金から相続税を支払うこともできます。ただし老後資金は老後の生活に使うつもりで貯蓄するものですので、これとは別に相続税を支払うための資金として貯蓄していく必要があります。

預金ではなく換金性の高い株式等で運用しながら、納税資金を確保するという方法もあります。確かに長期にわたって預金として資金をおいておくのは、資産運用の面からみるとメリットのない方法ともいえます。しかし金融資産の場合には市場価格が大幅に下落して、必要なときに売却しようとしたら価値が半減していたというケースも考えられます。
逆に株が値上がりしていて当初考えていたよりたくさんの資金ができたというケースになることもあります。金融資産として運用しながら納税対策をしようと思っている場合には、市場価格が上下するというリスクを考慮する必要があります。

(2)生命保険に加入する

納税資金対策として生命保険を利用する方法があります。

生命保険は被相続人が亡くなった場合に支払われるので、納税資金が必要になったタイミングで入金され納税資金対策としては良い方法です。法定相続人が相続をする場合には、法定相続人1人につき500万円まで相続税が非課税となりますので納税額自体を減らす効果もあります。

ただし生命保険として利用しようと思っているものの契約内容に注意しなければなりません。一定の加入期間を超えると年金形式や一時払いで支払われていく保険もあります。一定の期間が経過して本人に保険金として支払いが行われているような場合には、相続税の非課税枠は使えないことになります。

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ここまで相続税の納税資金対策の必要性と、対策手段として貯蓄財産の活用、生命保険の活用について解説してきました。
この他にはどのような手段が考えられるのでしょうか?次回の記事で引き続きみていきましょう。

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