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コラム

遺留分に関する民法の特例の利用条件と手続き(2)

2017.11.8
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前回の記事では「遺留分に関する民法の特例」の概要と3種類の合意(除外合意、固定合意、付随合意)を確認しました。ここでは、民法の特例を受けるための条件と手続きを詳しくみていきましょう。

民法の特例を受けるための条件とは

遺留分に関する民法の特例」を利用するために、必要な条件をまとめてみましょう。

  1. 合意については、推定相続人書面による合意書を作成すること
  2. 民法の特例を受ける時点で、3年以上事業を継続している非上場企業であること
  3. 合意の時点において、株式を贈与する後継者は会社の代表であること
  4. 後継者は自己保有分の株式と贈与分を合わせて議決権の過半数を保有していること
  5. 合意の時点では、後継者の保有分の株式議決権の過半数を満たしていないこと

まず合意は後継者と推定相続人全員で書面によって行われなくてはいけません。また対象の企業は3年以上の事業実績が必要で、合意の時点では後継者は会社の代表に就任していることも条件になります。

民法の特例を受けるための手続きとは

遺留分に関する民法の特例を利用するには、後継者による法的な手続きが必要です。

手続きにはまず推定相続人との合意書が必要で、合意書が完成した時点から1ヶ月以内に経済産業大臣へ確認の申請を行います。経済産業大臣により上記した条件が確認され、問題がなければ確認した旨が後継者へ通知されます。

経済産業大臣の確認が下りたら、1ヶ月以内に家庭裁判所へ特例合意の申し立てを行います。家庭裁判所の審理により特に問題点が見つからなければ、後継者へ許可が下り、遺留分に関する民法の特例が認められることになります。一連の流れをまとめてみましょう。

  1. 後継者と推定相続人で合意書を作成する
  2. 合意書が完成したら1ヶ月以内に経済産業大臣へ申請を行う
  3. 経済産業大臣の確認が下りたら1ヶ月以内に家庭裁判所へ申し立てを行う
  4. 家庭裁判所の許可が下り手続きが終了する

民法の特例を利用するのは難しくはない

このように遺留分に関する民法の特例を利用するには、特に難しい手続きは必要ありません。

重要なのは合意書を作成することで、推定相続人の一人でも反対すると特例を利用することができなくなります。そうならないためには先代の経営者も交えて話し合いを行うことが大切で、さらに後継者以外の推定相続人が相続で不利にならない心遣いも大切です。

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