相続・遺言のすべてを分かりやすく。
コラム

遺留分に関する民法の特例の利用条件と手続き(1)

2017.11.6
文字サイズ:

経営者にとって事業を後継者へ承継させることは、重要な課題の一つです。そのためには自己保有する自社株式を後継者へ全て相続させる必要がありますが、民法で定められている遺留分により、後継者以外が一部を相続し株式が分散する可能性が出てきます。

前回前々回と解説をしてきた「遺留分に関する民法の特例」は、このような問題を回避させる目的で作られました。

今回は、遺留分に関する民法の特例を利用するために必要な条件と手続きについて解説しましょう。まずは遺留分に関する民法の特例の合意の内容をおさらいします。

民法の特例を利用するには合意が必要

遺留分に関する民法の特例を利用するには、推定相続人(将来相続人になると推定される人)全員の合意が必要です。

合意の種類には、「除外合意」と「固定合意」、そして「付随合意」があります。

除外合意

「先代の経営者から贈与された株式等を、相続時に遺留分算定基礎財産から除外する」という合意をすることを、除外合意と言います。

除外合意を行うことで他の相続人は、株式等を遺留分として主張できなくなるので自社株が分散されることを防ぎます。

固定合意

固定合意とは、後継者が贈与した株式等の評価額を合意時の額で固定する合意のことです。

例えば贈与時に2,000万円で固定合意した場合、相続時に自社株が値上がりしていても遺留分としては固定された株価になるので、後継者の負担を減らす効果があります。

ただし固定合意する評価額は適正であることが条件であり、税理士や弁護士、公認会計士などの証明が必要です。

付随合意

合意にはもうひとつ、「付随合意」という除外合意と固定合意の双方、あるいはどちらか一方を合意した場合にすることができる合意があります。

付随合意は、

・後継者が贈与を受けた株式等以外の財産

・非後継者が贈与を受けた財産

を遺留分算定基礎財産から除外できる、という合意です。


なお、除外合意と固定合意は二者択一ではなく、どちらか一方だけの合意でも、双方の合意でも、いずれも可能です。例えば、後継者が旧代表者からの贈与等により取得した 1000 株のうち 600 株を「除外合意」の対象とし、残りの 400 株を「固定合意」の対象とすることもできます。


それではここまで押さえた要点をふまえ、次回の記事では「遺留分に関する民法の特例」の利用条件と手続きについて、詳しく確認していきましょう。

facebook発信中

相続のバイブルはfacebookページでも、見逃せない相続情報、ぜひ活用したいと評判のセミナー情報などを発信しています。
SNSのみの事例紹介やご相談も発信中。フォローお待ちしています。

相続のバイブルfacebookページ