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コラム

遺留分に関する民法の特例(2)

2017.11.1
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前回の記事では、遺留分に関する民法の特例のうち「除外合意」について解説をしました。除外合意とは、「後継者が譲渡を受けた株式等を遺留分算定基礎財産から除外する」、という内容の合意です。

こちらでは「固定合意」について詳しくみていきます。また、除外合意・固定合意の双方、もしくは、いずれか一方を合意した場合に合わせて活用できる「付随合意」についても解説します。

【特例2】生前贈与自社株の価格を固定できる

先代の経営者から会社を承継することで、業績が上がり株の価値が高くなることがあります。前回の記事で解説したAさんの例でも、7,000万円だった自社株が、相続時には9,000万円に値上がりしています。このようなケースでは相続時の評価額が遺産額となり遺留分の対象になります。

そこで「遺留分の算定に際し生前贈与株式等の価格を合意時の評価額で固定できる」特例が利用でき、これを「固定合意」と言います。

この特例は自社株の生前贈与を受けた際に、合意することで自社株の価格を固定できます。つまり、会社を承継してから業績が上がり、株の価値が上がっても遺留分としての評価は合意時の価格のままになります。

なお「合意時の評価額」は、その評価額が妥当なものなのかを判断するため、税理士、公認会計士、弁護士の証明が必要です。

【特例3】合意することで他の財産も遺留分から除外できる

除外合意、固定合意の双方、もしくは、いずれか一方の合意を行う場合、自社株以外の資産についても、遺留分基礎財産から外すことができます。具体的には

  • 後継者が贈与を受けた株式等以外の財産
  • 非後継者が贈与を受けた財産

があてはまります。これを「付随合意」と言います。

なお、付随合意の対象となる自社株以外の資産については価格を固定させることはできませんが、合意の対象とする財産の種類や額には制限はありません

事業承継をスムーズにおこなうために

家族が起業した会社が、相続トラブルが原因で廃業してしまうことがあります。

特に相続費用を捻出するために、安易に自社株を売却すると会社を乗っ取られてしまう危険性も否定できません。事業承継を検討する際には専門家に相談し、ここで説明した特例を上手に利用してスムーズに行うことが大切です。

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