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コラム

遺贈・贈与が複数ある時の遺留分減殺請求の順序は?(2)

2018.6.26
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前回の記事では遺贈・贈与が複数あるときの「遺留分減殺請求」の順序を確認しました。

こちらでは具体例をもとに理解を深めていきたいと思いますが、その前に受贈者受遺者無資力(財産より債務が超過していること)の場合はどうなってしまうのかを確認しておきましょう。

受贈者や受遺者が無資力の場合はどうなる?

もし、前回の記事で紹介した順番で遺留分減殺請求をかけていく段階で、対象者が無資力の為に遺留分を取り戻すことができなかった場合はどうなるのでしょうか。

この場合、残念ながら後順位の財産に遺留分減殺請求を行うことはできません

後順位の財産を貰い受けた者が、先順位者の無資力という自分には責任の無い偶然の事情によって損害を受けることは適当ではないとされているためです。

従って、請求相手の無資力がもたらすリスクは遺留分権利者が負担することになります。

具体例

ではここで簡単な例を挙げますが、話しを分かりやすくするために単純化した事例とします。


被相続人となるAは生前の平成30年3月1日に友人Bに1000万円を生前贈与しました。

また同年4月1日には前妻であるCに2000万円を譲る死因贈与契約を結びました。

そして平成30年の6月15日に2000万円(Cに対する2000万円とは別枠)の遺産を残して亡くなり、相続人は子Eの一人となりました。

遺言には遺産の2000万円について、愛人のDに遺贈するとありました。

被相続人Aは生前に仲の悪かった子Eには何も財産を残したくなかったようです。

このケースの場合、相続人Eの遺留分の目的となる基礎財産はBの1000万円※、Cの2000万円、Dの2000万円を合わせた計5000万円です。

相続開始前1年以内になされた生前贈与については遺留分の対象となる基礎財産に加えることになります。もし1年より前の贈与でも、遺留分権利者の権利を害することを贈与契約の双方が知っていた場合は基礎財産に加えられることになります。

そしてこのケースではEの遺留分は基礎財産の二分の一にあたる2500万円となります。

この場合、Eはまず遺贈を受けた愛人Dに対して遺留分減殺請求を行うことになります。

しかしDからは2000万円しか回収できませんから、次に前妻Cに対して同請求をかけ、残りの500万円を回収するということになります。

これでEは自身の遺留分2500万円を回収することができ、満足を得ることができます。

結果、生前贈与を受けた友人Bは無傷で済むことになりました。

まとめ

今回は遺贈や贈与が複数ある場合の遺留分減殺請求について見てきました。

被相続人によってなされる財産の移転方法は相続や遺贈死因贈与、生前贈与がありますが、遺留分減殺請求を行うには順番があり、ルールに従って手続きを進める必要があります。

遺留分はそれ自体が非常に難しい概念であることもあり、処理が難しいものです。

加えて現実の場面では各権利者間で利害の衝突が起きる分野でもありますから、実務的にも難度が高いものになります。

もしあなたが遺留分の権利者になったり、逆に遺留分を請求される立場になった時には、不利益を生まないように相手方との折衝は専門家に任せた方が安心です。

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