相続・遺言のすべてを分かりやすく。
コラム

遺贈・贈与が複数ある時の遺留分減殺請求の順序は?(1)

2018.6.21
文字サイズ:

相続においては、時に相続人が期待したよりも少ない遺産しか手にすることができず相続トラブルの種になることがありますが、一定の相続人には遺言によっても犯すことのできない最低取り分である「遺留分」が保障されています。

今回は遺留分の対象になる遺贈や贈与が複数ある時はどうなるのか解説します。

遺留分は「遺留分減殺請求」で取り戻す

遺留分を取り戻すには、遺留分の対象になる財産を貰い受けた者に対して請求をしなければならず、これを「遺留分減殺請求」といいます。

被相続人からの財産の移転は法律行為によって行われますが、法律行為にはいくつかの類型があります。

その類型によって請求する順番が違ってくるので、これを次の項から見ていきます。

遺留分減殺請求の対象になる法律行為は何か?

遺留分減殺請求は、この請求の対象になる以下のような法律行為によって被相続人から財産を貰い受けた者に対して行うことになります。

相続

遺言によって相続人に財産を承継させる行為

遺贈

遺言によって友人など相続人以外の者に財産を譲る行為

死因贈与

生前に、自らが死亡したことを条件に他者に財産を譲る行為

生前贈与

生前に他者に財産を譲る行為


上記のような行為が複数あった場合、遺留分減殺請求の対象になる順序についてもルールに従う必要があります。

遺留分減殺請求を行う順序

遺留分減殺請求は、まず最初に遺贈によって貰い受けた財産が対象になります。

遺贈が複数あった場合には、遺言者が遺言によって別段の意思を示している場合を除き、原則としてその遺贈の価額の割合に応じてそれぞれ減殺します。

この時、相続によって特定の遺産を特定の相続人に相続させる旨の遺言があった場合は遺贈と同順位で減殺することになります。

相続や遺贈による財産によっても遺留分が満たされない場合、次に死因贈与の対象になった財産が遺留分減殺請求の対象になります。

それでも満たされない場合に生前贈与により移転された財産が対象に入ってきます。

生前贈与は取引の性質が濃いことから、取引の安全性というものを考えて遺留分の効力が及びにくいようになっているのです。

ちなみに生前贈与が複数ある場合には、やはり取引の安全性の観点から相続開始に近い時期になされたものから順に遺留分減殺請求の対象になっていきます。

もし仮に、遺言によって上記の順番を違えるように(例えば最初に遺贈でなく生前贈与から減殺するように、など)指示したとしてもそれは無効になります。


ここまでで遺留分減殺請求が行われる際、どのような優先順位で対応を進めていくかがわかったかと思います。次回の記事ではより理解を深めるために、具体例を使って解説をしていきます。

facebook発信中

相続のバイブルはfacebookページでも、見逃せない相続情報、ぜひ活用したいと評判のセミナー情報などを発信しています。
SNSのみの事例紹介やご相談も発信中。フォローお待ちしています。

相続のバイブルfacebookページ