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コラム

相続税の”納付”の基本をおさえよう

2018.4.10
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相続税は税額が大きくなりがちで金銭的な負担が大きいため、節税の大切さなどが方々で解説されていますね。

基本的な計算の方法などもよく解説されていますが、意外と盲点となるのが実際の納税方法の仕組みです。

相続税は申告と納付(納税)という二つの手続きが連動することで成り立っているので、具体的な納税方法についても知っておく必要があります。

今回は相続税の納付方法に視点を当てて解説します。

相続税納付に関する基本事項

この項では相続税に関して納付期限や納税義務者など基本的なところを押さえていきます。

①いつまでに納めるのか?

相続税の納付期限は被相続人死亡を知った日の翌日から10か月後となっています。

申告書の提出期限も同じですので、申告書の提出が遅くなる場合は納付期限にも余裕がないことになります。

そして申告手続きの前準備として様々なステップを踏む必要があるため、10か月という期間は長くありません。

以下で被相続人の死亡後に必要になる作業や手続きをざっと確認してみましょう。

以上のような作業を経てようやく相続税の申告と納付が可能になります。

特に被相続人の財産の調査や相続人の確定作業にはどうしても時間がかかりますし、遺産分割協議では複数関係者間の利害の調整のために時間をかけて話し合いを持たなくてはならないこともあります。

ケースによっては相当の手間と時間をとられることもあり、実務はなかなか大変です。

②誰が納めるのか?

相続人が複数いる場合、申告書の作成提出は連名で代表者が行うことができますが、納税は各人が必要な計算をして負担額を別々に納めることになります。

例えば同じ額の遺産を承継しても、各人が使える控除策などが異なるため個々人で税額が変わってくるからです。

従って納付手続きは、相続人個々人が別々に行うことになります。

相続税の納税義務者は各相続人個々人ということになりますが、実は相続税には「連帯納付義務」というものがあり、ある相続人が相続税を納税しない場合は他の相続人が代わりに納付しなければならないことになっています。

誰かが納税できないと他の者が肩代わりをさせられることになるので、自分のことだけを考えていれば良いわけではないということです。

複数相続人がいる場合には、各相続人が納税できるだけの資金を用意できるように、現預金の分配に気を配るなどの配慮も必要になります。


ここまで相続税の納付に関する基本事項を見てきました。限られた期間でやることも多く、滞りなく進めていかねばならないことがわかったかと思います。

相続税は原則として各相続人が納めることになりますが、合わせて提出する納付書に必要事項を記入しなければなりません(後述するクレジットカード納付を除く)。納付書の詳細を確認していきましょう。

相続税の納付方法~納付書について

「納付書」は税務署で入手するのが間違いのない方法ですが、銀行や郵便局などの金融機関に納付書が置かれていることもありますので事前に確認しておくと良いでしょう。

納付書には以下のような必要事項を記入しなければなりません。

年度

相続発生年度を記入します。

例えば被相続人が平成30年4月1日に死亡したのであれば「30」を記入します。

税目番号

相続税の税目番号「050」を記入します。

管轄税務署名

被相続人生前の住所地を管轄する税務署名を記入します。

税務署で納付書を入手する場合はあらかじめ税務署名が記載されていることがあります。

本税額及び合計額

相続税の税額を記入します。

合計額の欄にも同じ数字を記入後、左側に「¥」を記入します。

納期等の区分

この欄には被相続人死亡年月日を記入します。

被相続人と相続人の住所

両者の住所地を記入します。

相続人については電話番号も記載しましょう。

被相続人と相続人の名前

両者の氏名を記入します。

相続人についてはフリガナも振ります。

税目

相続」または「ソウゾク」と記入します。


上記を不備の無いように記入したうえで、納付書と必要な現金を次項で述べる納付窓口に持参し納税します。

納付書の作成にあたって、もし記入ミスが出た場合は訂正が効かない箇所もあるので作り直すのが基本です。従って、納付書は予備を含めて数枚確保しておくようにしましょう。

また不備の無い納付書の作成のためには税理士に細かい注意点を聞いておくと安心です。相続税を扱う税理士であれば納付書を確保していることがあるので作成もスムーズです。


 

納付書」の作成が終わったら、次はいよいよ納税の手続きです。税務署や金融機関で納税が可能なことは広く知られていますが、それ以外にはどのような方法があるのでしょうか?

今回の記事では、納税手続きが可能な場所を4つ、ご紹介します。

相続税を納付する場所について

納付書を持参し納税手続きを行うことができる窓口は以下①~③があり、加えてネット上から納付手続きを行う④の方法もあります。

①税務署

最も確実なのが税務署の窓口です。

もし納付書に不備がある場合は、訂正や書き直しの指導をしてもらえます。

②金融機関

銀行や郵便局などの金融機関でも納付が行えますが、一部受付できないところもあるので事前に電話等で確認しておくのが安全です。

③コンビニエンスストア

平成20年からはコンビニでの納付が可能になっています。

ただし税額が30万円以下のケースでしか利用できず、加えてコンビニ納付ではバーコード付きの専用の納付書を税務署で入手する必要があります。

ローソン、セブンイレブン、ファミリーマートなどの他、主要なコンビニ各社が利用可能となっていますが、こちらも実際に納付手続きが可能かどうか利用店舗に事前に問い合わせをしておいた方が確実です。

④クレジットカード納付

平成29年からは利便性を確保する為にクレジットカードでの納付が可能になりました。

実際にはインターネット上で国税長官が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社 ※新しいページが開きます)に対して立て替え納付を依頼し、同社からクレジットカード会社を経由して納税者に請求が行われることになります。

クレジットカード払いは税務署や金融機関、コンビニなどの窓口では利用できず、納付手続きはインターネット納付専用サイト「国税クレジットカードお支払サイト」にて行うことになります。

https://kokuzei.noufu.jp/

Visa、Mastercard、JCB、American Express、他主要なカード会社を利用できますが、一度の手続きでは税額が1000万円未満のものしか処理できません。

従って納税額が1000万円以上となるケースでは複数回の納付手続きを行う必要があります。

クレジットカード納付では一定の手数料がかかること、領収書が発行されないこと、納付手続きの取り消しができないことなど注意点もあります。

またフィッシング詐欺などインターネット特有のリスクがあるので、被害に会わないように各自が気を付ける必要があります。

一方でカード利用によってポイントが溜まるなどメリットもあり、考え方によっては実質の減税として見ることもできます。

カード利用によるメリットやデメリットなどを比較して、魅力があるようであれば検討してみると良いでしょう。

クレジットカード納付について詳しくはこちらで確認できます。

国税庁タックスアンサー「[手続名]クレジットカード納付の手続」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/nofu-shomei/nofu/credit_nofu/index.htm

まとめ

今回は相続税の納付(納税)手続きに視点を当てて見てきました。

まず、相続税は申告と納付の期限が同じであるため、申告に必要な種々の作業と並行して納税資金の準備を進めなければならないことに留意します。

そして実際の納税手続きは各相続人が個別に行う必要があるので、申告手続きは連名で代表者が行ったとしても期限までの納税は各相続人に義務が課されていることに注意してください。

納付書を作成して窓口で納める方法とインターネットを介してクレジットカードで納める方法がありますが、カード納付の方は領収書が発行されないなどデメリットもあります。

納付書を作成するにしてもカードを利用するにしても、不備の無いように一度は相続税に強い税理士の指導を受けておくことをお勧めします。

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