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コラム

「特別受益」があるときの相続の注意点(2)

2017.10.10
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前回の記事では、特別受益とは何か、について、具体例を示して解説いたしました。こちらの記事では、まず、特別受益と見なされるケースを整理し、いつ行われた贈与まで特別受益とみなされるのか、について確認をしていきましょう。

特別受益と見なされるケースとは?

特別受益 と見なされる贈与は大きく3種類があります。

  1. 遺贈
  2. 婚姻もしくは養子縁組のための贈与
  3. 生計の資本

遺言書に記載された財産を受け取ることを遺贈と呼びますが、遺贈特別受益 となります。また婚姻や養子縁組の際に受け取った「持参金」「準備金」も同様に特別受益に該当します。そして最も多いのが、「生計の資本」と呼ばれるもので、以下のような資金が特別受益として認められます。

生計の資本となる贈与とは?

  • 住宅資金の援助金
  • 土地の贈与
  • 大学、大学院進学費用
  • 事業を起こす際の資金援助
  • 親族間の扶養の範囲を超える金銭贈与
  • その他

この中で問題になるのは住宅建築時の援助が多く、金銭的な援助がなくても土地を譲られた場合は、土地の価格が特別受益になります。また兄弟の中で一人だけ大学へ進学した場合、大学卒業までにかかった費用が特別受益として計算されることもあります。

特別受益には時効があるのか?

特別受益被相続人が生前に行った贈与のことですが、いったい何年前まで遡って計算されるのでしょうか?

例えば30歳の頃に住宅資金として300万円の援助を受けて、それから30年後に父親が死亡したとしましょう。もう30年も前の贈与であり、住宅も築30年で価値も低下しています。30年前の話ですから、特別受益に該当しないと考えるかもしれません。

しかし特別受益には時効はありません。つまり被相続人が死亡する1年前であっても30年前であっても、特別受益に該当する贈与を受けていれば、みなし相続財産として取り扱わなくてはいけません。

ここで間違いやすいのが「相続税の生前贈与加算」です。

相続税の計算では「3年以内被相続人から贈与を受けた場合」には、相続財産として相続税の計算に含めなくてはいけません。つまり3年を超える以前の贈与は、相続税の計算に含める必要はありません。しかしそれはあくまで相続税の話であり、相続財産の分配である特別受益とは関係のない話だと理解して下さい。


それでは、特別受益がある場合の相続の手続きはどうなるのでしょうか?
次回の記事で、注意点を確認しながら押さえていきます。いっしょに確認していきましょう。

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