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コラム

「みなし贈与」と判断されるのはどのような時?(2)

2017.7.19
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前回の記事では「みなし贈与」と判断される具体例のうち、「低額譲受(ていがくじょうじゅ)」について解説しました。

今回はさらに3つの、具体的ケースについてみていきましょう。

みなし贈与となる具体的ケース

(2)生命保険金の受け取り


保険料を支払っている人と生命保険金の受取人が違う場合、受け取った死亡保険金相続税か贈与税がかかります。死亡した被保険者と保険料の支払人が同じ場合には相続税がかかりますが、死亡した被保険者と保険料の支払人が違う場合には贈与税がかかります。

※死亡保険金と税の関係について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください → 生命保険は相続対策になる!(2)

たとえば、夫が亡くなったときに夫が保険料を支払っていた場合、妻が生命保険金を受取とるのであればかかる税金は相続税で、死亡保険金の非課税枠もあります。夫が亡くなったときにそなえて妻が保険契約をして保険料を支払い、夫が亡くなったときに保険金を受け取るのは子である場合に贈与税がかかります。もし、保険金を受け取るのが子ではなく妻の場合には、妻に所得税がかかります。

生命保険金を受け取る場合にかかる税金の種類としては、保険契約の内容により、相続税、贈与税、所得税のどれかにあてはまるということになります。

この3つの税金の中で一般的に一番税率が高くなるのが贈与税です。保険契約の内容を見直して贈与税がかかりそうな場合には、専門家である税理士に相談して保険契約の変更について検討するとよいでしょう。

(3)債務免除や借金を肩代わりしてもらった場合

債務免除をしてもらったり借金を肩代わりしてもらった場合は、免除してもらった金額や肩代わりしてもらった金額がみなし贈与となり、贈与税がかかるのが原則です。

本来は支払わなければならない債務を免れているのでその分の利益が発生したと考えられるからです。ただし、その債務免除や肩代わりが、借金をしている人に返済の資力がなく借金の返済ができないような場合には、みなし贈与とされた部分が非課税になる場合もあります。

またお金の貸し借りが発生している場合には、通常は利息が発生します。この利息についても、利息の免除が行われていると免除金額に贈与税がかかる場合があります。

特にお金の貸し借りの金額が大きく利息も高額になり贈与税の非課税枠である年額110万円を超えるような場合には、贈与税がかかる可能性がありますので注意が必要です。

(4)夫婦間の贈与

夫婦間の贈与は、夫婦間だからという理由で贈与を意識しないで行われることが多いのですが、この場合にもみなし贈与にあたるケースがあります。よくあるケースとして、妻名義の住宅の住宅ローンを夫が支払っている場合や、離婚時の財産分与があげられます。

離婚をする場合には、慰謝料が発生したり財産分与をするケースが多いのですが、原則として慰謝料や財産分与には贈与税はかかりません。しかし、財産分与については、分与された財産が夫婦間の事情を考慮して多すぎると判断されると、その多すぎる部分に贈与税がかかります。また、贈与税や相続税を払いたくないために離婚をして財産分与をする場合には、偽装離婚となり贈与税がかかります。

みなし贈与で思わぬ贈与税がかからないためには

みなし贈与は、当事者の認識がないまま贈与税がかかってしまうので注意する必要があります。みなし贈与にあてはまって贈与税がかかるかどうか不安な場合には、まずは専門家である税理士に相談することをおすすめします。

また、相続対策で生前贈与を検討されている方も多いと思います。生前贈与は生前に計画的に行っていく必要がありますが、みなし贈与が発生すると計画した贈与額に上乗せされることになりますので、思わぬ贈与税がかかってしまいます。

相続対策で生前贈与を検討している場合には、みなし贈与の発生に気を付けなければなりません。このためには、税理士である専門家のアドバイスを受けながら計画的に生前贈与を行っていくとよいでしょう。

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