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コラム

経営者保険のポイントを押さえよう!

2016.8.8
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終身保険は個人が加入するものばかりではありません。

会社などの法人で生命保険に加入することもできます。この法人加入の保険を「経営者保険」といいます。この経営者保険、保険金を受け取れることのほかに、いくつかのメリットがあります。

なお、経営者保険を「法人保険」という場合も多いのですが、概ね同じ意味と考えて頂いて構いません。保険加入を経営者、保険料支払人と保険金受取人を法人とする終身保険(定期保険の場合もある)です。

万が一のときに死亡保険金が受け取れる

経営者保険1

経営者に万が一のことがあると、不意のことに社内が混乱します。銀行や取引先との信用が落ち、会社が窮地に立たされることもあります。その際にまとまった額の死亡保険金を受け取れると、原資として会社を再建することができます。また、相続の際に500万円×法定相続人分が非課税部分となる生命保険のメリットも適用することができます。

死亡保険料は損金になる

死亡保険金のメリットの2つめは、経営者保険の保険料は損金になることです。損金とは何でしょうか。個人事業主の経費と対比して考えてみましょう。

個人事業主の場合、売上を得るためにかかったお金は売上を得るために支出したお金、いわゆる費用として計上することができます。この計上された費用を「経費」といいます。売上から経費を引いた金額を「利益」といい、個人事業主は利益に対して所得税と個人事業税が課税されます。

法人において、個人事業主の「経費」にあたるのが「損金」です。損金は法人の売上に対して計上され、売上から損金を引いた金額が「利益」になり法人税の対象になります。この損金は交際費(上限あり)、旅費交通費、新聞図書費などさまざまな種類があります。これら損金に入れることができる費用のことを「損金算入」といい、逆に損金に入れることができない費用を「損金不算入」といいます。この経営者保険の保険料は、損金に入れることが可能です。

退職金の役割も担う法人保険

経営者保険は保障性だけではありません。一定期間加入した保険を解約した場合、解約返戻金としてまとまったお金を得ることができます。

解約返戻金とは、法人で終身保険などに長い期間加入して、あるタイミングで「解約」をするときに、それまで支払った保険料の総額(払済保険料総額)以上のお金が手元に戻ってきます。この戻ってくるお金を解約返戻金といいます。この解約返戻金を使って、役員や従業員への退職金を準備することができます。

ただ注意すべきは、最近はマイナス金利により前例のないほど金利が低くなっています。金利が低いと解約返戻金は払済保険料総額を下回ることがあり、その場合は法人保険ではなく、現金で貯蓄していた方が良い、ということになってしまいます。

低金利になってそう時期が経過していないため、古くから加入している法人保険にこの「元本割れ」を心配する必要はないでしょう。ただ、これから新しく法人保険に加入される方は、その保険料が解約の場合どのような返戻率になっているのか、確認するようにしましょう。

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さて、ここまでの内容で経営者保険には様々なメリットがあることがわかったと思います。特に「損金算入」は法人にとって大きなメリットかと思いますが、実は損金算入できる割合は保険商品の内容によって異なります。詳しく見ていきましょう。

経営者保険にもいくつかの種類がある

経営者保険2

前述したとおり、経営者保険は損金に入れることが可能ですが、「どれだけの割合を損金に入れることができるか」は、実は商品によって異なります。

(1)全額損金

保険料全額を損金として計上することができます。100%損金ともいいます。定期保険医療保険など。

(2)1/2損金

保険料の半額を損金として計上することができます。50%損金ともいいます。逓増定期保険養老保険など。ハーフタックスプランという商品もこの1/2損金です。

(3)1/3損金

保険料の1/3を損金として計上することができます。逓増定期保険の一部が該当します。33%損金ともいいます。

(4)資産計上

保険料は全額資産計上になります。損益には計上しません。

経営者保険を全額損金にするポイントはたったひとつ。「保険料が全額損金となる保険商品を選ぶこと」です。全額損金となる保険商品によって売り上げから損金が引かれ、利益を圧縮、課税額を引き下げることができます。

解約返戻金が100%になる「期間」にも注目

解約返戻金が払済保険料総額を超える場合の「期間」にも注目です。最終的に十分な解約返戻金が戻ってくるとしても、その期間が10年なのか、20年なのかでは商品としての価値に大きな差があります。

一般的に終身保険は、保険会社の手数料や人件費などのため、「契約後数年は解約返戻金が際立って低い」という特徴があります。この期間が長い終身保険に加入すると、加入期間中万が一のことがあって解約した場合に、支払った保険料が戻ってこないことになります。これでは経営者保険に加入するメリットは存在しません。

法人保険と一概に考えるのではなく、その経営者保険ごとに有している特徴とメリット、デメリットをしっかりと把握し、会社にとって必要な法人保険として合致しているのかを確認したうえで加入するようにしましょう。

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