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コラム

相続税の控除のまとめ(2)

2017.10.18
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前回の記事では「相続税の基礎控除額」と「配偶者の税額軽減特例」について、要点を解説しました。今回は相続人に未成年者や障害者がいる場合連続した相続が発生してしまった場合に利用ができる制度を確認していきます。早速みてみましょう。

未成年者の相続には未成年者控除がある

子供など相続人が未成年者の場合には、相続税の未成年者控除を利用することができます。基本的な適用要件を紹介します。

  • 相続開始時点で20歳未満
  • 相続人であること

未成年者控除額=(20歳-相続開始時点の年齢)×10万円

子供が10歳の時に父親が死亡したケースでは「(20歳-10歳)×10万円」になるので、100万円を相続税額から差し引くことができます。また未成年者控除額が未成年者の相続税額よりも多く、控除しきれない場合には、該当未成年者の扶養義務者の相続税額から残りを控除することができます。

相続人が障害者の場合には障害者控除が利用できる

相続人が障害者の場合、相続税の障害者控除が適用されます。障害者は「一般障害者」と「特別障害者」に区分されて控除額に違いがあります。

各区分の定義

  • 一般障害者:身体障害者等級3級~6級、精神障害者等級2級~3級など
  • 特別障害者:身体障害者等級1級~2級、精神障害者等級1級など

区分別の控除額

一般障害者の控除額=(85歳-相続開始時の年齢)×10万円

特別障害者の控除額=(85歳-相続開始時の年齢)×20万円

つまり、相続を開始した日から一般障害者で10万円、特別障害者で20万円が85歳になるまでの分としてまとめて控除されます。障害者の基準判定には障害者等級以外にも基準がありますので、専門家へ相談するか税務署へ確認して下さい。

連続した相続には相次相続控除で軽減できる

父親が亡くなって数年後に今度は母親が亡くなることがあります。特に高齢になると相次いで親が死亡することは珍しくありません。

このような状況で子供は、父親の相続を行って、数年後に今度は母親の相続を行わなくてはならず、相続税の負担が大きくなります。そこで短期間(10年)の間に、同じ遺産に対して相続が行われた場合に、一定額を相続税から控除するのが相次相続控除です。

相次相続控除の例

3年前に亡くなったAさんの遺産は、妻Bと子供Cが相続しました。これを一次相続と呼びます。

3年後にBが亡くなり、その遺産はCが全て相続することになりました。Bの遺産の大部分はAからの相続であり、3年前の相続時に相続税を納付しています。Cが母親であるBの相続を行うことは二次相続にあたることから、相次相続控除が適用され一定の控除額を相続税から差し引くことができました。


ここでポイントは一次相続が行われたのが、二次相続の10年以内であること、当時相続税を二次相続の被相続人(この場合B)が納付していることです。

控除される計算式は複雑なので目安的には、一時相続時に支払った相続税を100%として、二次相続までの経過年数によって10%ずつ減額されると考えて下さい。

相次相続控除の目安額

相次相続控除の目安額は次のとおり計算します。

一次相続税額=一次相続で二次相続の被相続人が支払った相続税

相次相続控除の目安額=一次相続税額×(1-二次相続までの期間×0.1)

この計算式はあくまで目安なので、正式な計算は専門家か税務署で相談するようにして下さい。


今回は未成年者控除、障害者控除、相次相続控除について解説をしました。いずれの制度も正式な計算にあたっては、専門家に相談するのをおすすめします。

さて次回はこのシリーズの最終回です。ぜひご覧ください。

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