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コラム

不動産の相続に関係する税金のまとめ

2017.3.21
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相続についてお考えの方の多くは、不動産を所有しているか不動産を相続する可能性がある方だと思います。不動産の相続が発生すると、相続税だけではなく、さまざまな税金を支払わなければなりません。
今回は、不動産の相続に関係する税金にはどのようなものがあるかをまとめました。

相続税

不動産税金1

不動産の相続が発生してかかる税金といえば、まず「相続税」が頭にうかぶと思います。

相続税は、亡くなった方が所有していた遺産を相続し、この遺産が一定の金額を超えると、相続税が発生します。
具体的には、遺産の総額から、相続税法で決められている基礎控除額を差し引いた金額に相続税がかかります。基礎控除額は、相続人の数によって変わり、相続人が多いと基礎控除額も増えます
相続財産に不動産がある場合には、まずその評価額を計算し、その評価額とほかの相続財産とあわせた金額が、基礎控除額を上回るときに相続税が発生します。

不動産取得税

不動産を取得すると、不動産取得税がかかりますよね。では、相続が発生して、不動産を相続することになったときにも不動産取得税はかかるのでしょうか。

実は、相続では不動産取得税はかかりません
なぜなら、相続は自分の意図で不動産を取得するわけではなく、相続が発生して自動的に法定相続人となり、不動産を相続した結果として不動産を取得することになるからです。不動産取得税は、不動産の購入や贈与を受けた場合に発生する税金です。

登録免許税

不動産を相続すると、不動産取得税はかからないのですが、不動産の名義を相続登記によって変更しますので、そのときに、登録免許税という税金がかかります。相続登記による名義変更は必ずしなければならないものではありませんが、後々のトラブルを避けるためにも、相続登記はしたほうがよいでしょう。

登録免許税の税額は?

相続登記の登録免許税は、不動産の価額の1000分の4です。
たとえば、不動産の固定資産税評価額が1千万円の場合は、1千万円の1000分の4が登録免許税となりますので、4万円の登録免許税がかかることになります。この登録免許税は、相続登記によって名義変更するときに、申請書に収入印紙を貼る形で納付します。

ここで、国税庁のホームページで登録免許税の税率を確認してみましょう。

国税庁ホームページ タックスアンサー 登録免許税の税額表

登録免許税の税率をみると、贈与の場合は、不動産の価額の1000分の20が登録免許税となっています。1千万円の評価額の不動産の場合は20万円となり、相続と比べて5倍の登録免許税がかかってしまうことがわかりますね。
このことから、相続対策として生前贈与をするときには、登録免許税のコストも考慮する必要があることがわかります。

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ここまで相続税、不動産取得税、登録免許税についてみてきました。
不動産を相続した場合には、これら以外にも固定資産税や所得税について考えないといけません。ここからは詳しく見ていきましょう。

固定資産税

不動産税金2

不動産を相続した場合には、相続した時から固定資産税の納税義務が発生します。

固定資産税の支払義務は、毎年1月1日時点の不動産の所有者ですが、相続が発生すると、その年の未払分の固定資産税は、相続人が被相続人の代わりに支払うことになります。
相続登記が亡くなった翌年の1月1日までになされていない場合には、複数の相続人がいればその代表者に課税されます。
代表者は、相続人代表指定届を市区町村役場に提出することで決めますが、この届がない場合には、市区町村役場が相続人の代表者を指定することになります。トラブルを避けるためにも、できるだけ早く相続登記を行うか、相続人代表指定届を提出しておくとよいですね。

不動産の固定資産税にかかる税率は基本的には1.4%ですが、まれに財政が苦しい地方自治体では1.4%を上回ることもあります。

もし、亡くなった方の個人事業に土地や建物を使っていた場合、固定資産税は経費として計上できるのでしょうか。

個人事業を行っている方が亡くなったときには、準確定申告をしますので、そのときに事業収入から、亡くなるまでに支払う必要のある確定した固定資産税は経費として計上することができます。準確定申告のときには、固定資産税を考慮することを忘れないようにしましょう。

所得税

(1)不動産を相続して売却する場合

相続した不動産の管理も大変だし、相続税を支払うための現金を用意するためにも、売却しようと思われる方もいらっしゃると思います。不動産を相続して売却するときは、譲渡益に譲渡したことにより所得税がかかります。譲渡益が出ないのであれば、譲渡についての所得税はかかりません。

不動産を売却したときには、譲渡所得を計算して所得税を計算することになるのですが、この譲渡所得は、不動産の売却代金から、不動産の取得費と譲渡費用をひいて計算します。この譲渡所得が譲渡益になった場合に、所得税がかかるのです。被相続人が長く不動産を持っていて取得費がよくわからない場合には、売却額の5%相当額を概算取得費として計算するという方法もあります。

ここで気をつけたいのが、不動産を所有している期間です。相続の場合は、被相続人が不動産を取得した日から計算します。不動産の譲渡が行われた年の1月1日を基準として、所有期間が5年を超えていれば長期譲渡、5年以下であれば短期譲渡に分類されます。
譲渡にかかる所得税は、短期譲渡よりも長期譲渡のほうが有利となっていますので、不動産を売却しようと考えている場合には、まずは不動産の所有期間を確認するようにしましょう。

(2)相続した不動産を賃貸する場合

相続した不動産を賃貸する場合には、不動産収入が発生することになります。この不動産収入は、不動産所得として確定申告で申告し、所得税を支払わなければなりません

もともと賃貸物件であった不動産を相続した場合には、被相続人が亡くなるまでの不動産収入は、準確定申告で清算することになります。相続開始後の賃貸収入についてのみ、相続人の収入として所得税がかかってきます。
この不動産所得を計算するときには、不動産の管理にかかった費用や建物の場合には減価償却費を経費として控除することができます。

まとめ

不動産の相続には、さまざまな税金がかかわってくることが分かりました。

不動産の相続対策には、その不動産が事業用なのか実際に住むためのものなのか、不動産の種類、法定相続人の数、誰かその不動産を相続するのかなど、さまざまな項目を考慮して、相続税のシミュレーションを行わなければなりません。不動産は、現金のように分割することができませんので、相続時にトラブルにならないようにするためには、事前に相続対策を行っていく必要があります。

シミュレーションのもとで複雑な不動産相続の対策を行うには、やはり信頼できる専門家のアドバイスがあると、安心して相続対策をしていくことができます。

相続対策は法律的な不備があったりするとトラブルのもとになりますし、客観的な信頼できる第三者の意見があると、相続対策における話し合いもまとまるケースが多いのです。相続の専門家としては、法律の専門家である弁護士や、税金の専門家で相続にくわしい税理士などがあげられます。

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