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コラム

平成29年度税制改正~「居住用超高層建築物に係る課税の見直し」(1)

2017.6.5
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近年、高層マンションも増えてきて自宅が高層マンションという方も多いと思います。

平成29年度の税制改正で、居住用超高層建築物に係る課税の見直しが行われました。つまり、高層マンションに関係する課税が変更されたのです。

高層マンションに住んでいる方にとっては気になるこの税制改正ですが、どの税金にどのような変更があったのか、いつから変更されるのか、相続税や贈与税への影響について解説します。

居住用超高層建築物とは?

今回の税制改正の「居住用超高層建築物」とは、どのようなものをいうのでしょうか。

「居住用超高層建築物」とは、建築基準法令上の「超高層建築物」にあたる高さが60メートルを超える建築物のうち、複数の階に住戸が所在しているものをいいます。つまり、高さが60メートルを超える高層マンションが適用対象となります。

60メートルを超えるといっても、分かりづらいですよね。例えば、一階が約3メートルと考えると20階以上の高層マンションであれば、居住用超高層建築物にあたると考えられます。

今回の税制改正の対象となるものは、平成30年度から新たに課税されることとなる居住用超高層建築物ですので、もともと建築されていたものや平成29年4月1日よりも前に売買契約が完了しているものは対象になりません。

「居住用超高層建築物に係る課税の見直し」の概要と計算方法

(1)背景

大都市圏で増え続けている高層マンションですが、たとえば1階と40階では見晴らしや住み心地にかなりの差があります。高層マンションの低い階の部屋と高い階の部屋とでは、見晴らしや住み心地の差から取引価格にも差が生じており、低い階の部屋のほうが安く、高い階の部屋のほうが高い価格で取引されることが一般的です。それにもかかわらず、固定資産税や相続税は、低い階の部屋と高い階の部屋とでは課税関係に差がないという問題がありました。

たとえば、1階の部屋が3,000万円で40階の部屋が1億円で取引されていたとしても、床面積が同じであれば固定資産税や相続税の評価額も同じだったのです。

今回の改正は、固定資産税、都市計画税、不動産取得税について行われ、相続税の評価額については盛り込まれませんでした。

(2)計算方法

現行では、各部屋の占有床面積に応じて固定資産税額を計算していました。つまり低い階の部屋でも高い階の部屋でも、床面積が同じなら固定資産税額も同じになるという計算方法です。

今回の改正では、各部屋の階数に応じて補正率が適用され、固定資産税が変わってくることになります。この補正率のことを「階層別専有床面積補正率」といいます。高層マンションの1階を100と考えて、階数がひとつあがるごとに、10/39を加えた数字が補正率となります。このことにより、階数があがればあがるほど、固定資産税も高くなることになります。この補正率で計算していくと、1階と40階では10%近く固定資産税が変わってくることになります。

固定資産税の計算は、まずマンション一棟全体で計算しますが、全体の固定資産税の計算方法は従来と変わりません。全体の固定資産税を各部屋に按分する方法が変わってくるということになります。マンション全体の固定資産税を按分するときに、低い階に住んでいる人は安く計算され、高い階に住んでいる人は高く計算されます。

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さて、平成29年度税制改正の「居住用超高層建築物に係る課税の見直し」では相続税の評価額は対象になっていませんでしたが、相続対策への影響は全くないのでしょうか?

次回の記事で詳しく見ていきたいと思います。ぜひご覧ください。

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