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コラム

平成29年度税制改正~相続税の物納財産の順位と範囲の変更について(1)

2017.5.30
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平成29年度の税制改正で、「相続税の物納財産の順位と財産の範囲の変更」がされました。

物納財産、順位、範囲という言葉だけで難しくてわかりにくいですね。簡単にいうと、相続税を払うときに、現金を用意できない場合に現金以外のもので払う制度についての変更があったのです。今回の記事では「物納とはなにか」、「どのようなものを相続税を払うときに使うことができるのか」などをまとめました。

相続税の「物納」とは

相続税は、納付期限内に金銭つまり現金で、一括して納付することが原則です。どうしても現金で一括して払うことができない場合には、納期をのばしてもらう(延納)、分割して払うなど税務署と話し合って納付の方法を考えていくこともできますが、納期をのばしたり分割しても相続税が払えそうにない場合には、納付期限内に現金ではなく相続した不動産などで支払うこともできます。この制度を「物納」といいます。

物納制度を利用するには、いろいろな条件があります。

物納制度を利用するための条件

物納制度を利用できるのは、次の要件をすべて満たした場合です。

(1)納期をのばしてもらう、分割して払うなど延納制度によっても現金で相続税を納付することが難しい理由があり、実際に納付が難しいこと。

(2)物納をしようとする財産は日本国内の財産で、一定の種類の財産で一定の順位によるものであること。

(3)物納をしようとする財産が、物納できない財産にあてはまらないこと。もし物納できない財産にあてはまる場合には、ほかに物納できる財産がないこと。

(4)物納申請書、物納手続関係書類といった必要な書類を期限までに税務署に提出すること。

以上の条件を満たした場合に、物納制度を利用することができます。

物納にあてることのできる財産の種類とその順位

物納できる財産は種類が決められているだけでなく、物納できる順位があります。

まず、物納しようと思う財産が日本国内にあり、所轄税務署の事前の許可が必要となります。物納申請しても、国が処分するために不適格な財産は物納が却下されることもあります。

順位とは、たとえば第2順位の財産を物納しょうと思っても、相続した財産に第1順位のものがある場合には、第2順位の財産は物納することができません。第1順位の財産から順番に、物納財産に充当していくことになります。不動産の場合は、物納する財産の価格は相続税上の評価額になります。

まず、平成29年度税制改正後に物納にあてることのできる財産の種類とその順位をみていきましょう。

(1)第1順位・・・ ①国債、地方債、不動産、船舶、上場株式等②不動産、上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの

(2)第2順位・・・①非上場株式等②非上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの

(3)第3順位・・・ 動産

この中に出てくる「物納劣後財産」とは、ほかにに物納にあてることのできる財産がないと認められる場合に限り、物納をすることができる財産です。たとえば、法令に違反して建築された建物などがこれにあてはまります。

物納することができない財産

物納することができない財産を「管理処分不適格財産」といいます。

国も管理や処分に困る財産を物納されても困るので、物納することのできない財産を定めているわけです。たとえば、担保が設定されている不動産、裁判などで権利について争いの途中である不動産、境界の明らかでない土地などがこれにあたります。

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ここまで物納制度の基本を確認してきました。
それでは平成29年度の税制改正ではどこが改正されたのでしょうか?今回の記事で確認した内容を踏まえ、次回の記事で解説していきます。

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