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コラム

贈与税の非課税枠のまとめ(3)

2017.10.4
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贈与税の非課税枠について紹介するシリーズ、最終回となりました。今回は「住宅取得等資金贈与」、「結婚・子育て資金贈与」について見ていきます。

第1回→贈与税の基礎控除・配偶者控除第2回→教育資金の一括贈与、相続時精算課税制度に関する記事もぜひ合わせてご確認ください。

住宅取得等資金贈与の非課税枠

平成33年12月31日までの間に親など直系尊属からの贈与によって自己の居住用不動産の購入資金(増改築を含む)の贈与を受けた場合、一定要件の元で最高で5,500万円までの贈与税の非課税枠が利用できます。

上記の額はあくまで最高値であり、この制度で実際に利用できる非課税枠は住宅の購入等の契約が締結される時期、契約時に適用される税率(8%か10%か)、住宅が省エネ等住宅であるか否かなど複数の要素が絡んできます。

さらに本制度と併用が可能な制度が二つあり、暦年課税制度における非課税枠(年間110万円)、もしくは相続時精算課税制度(2,500万円)のどちらと併用するかによっても変わってきます。

上で記した最高5,500万円という数字は対象となる不動産が平成31年4月~平成32年3月までに消費税10%の計算で締結された契約で省エネ等住宅に該当するものであり、さらに相続時精算課税制度の2,500万円の非課税枠と合算した数字です。

本制度の適用を受けるには細かい要件を満たす必要があるので、必要に応じて税理士等に確認してください。

結婚・子育て資金贈与の非課税枠

これは教育資金の一括贈与時の非課税制度と同じく、若い世代への財産移転を促すために創設されたもので、親など直系尊属から子や孫など直系卑属20歳以上50歳未満の者に限る)に対して結婚資金や子育て資金としてなされた贈与につき、最高で1,000万円(結婚資金については300万円)までを非課税とすることができます。

信託会社となる金融機関と別途「結婚・子育て資金管理契約」を締結する必要があり、契約締結時点で直系卑属は上記に記した年齢でなければなりません。

こちらの制度も、結婚や子育てに必要な資金は都度贈与する形であればそもそも非課税であること、資金の使途を証明するために領収証などの管理が必要になることの他、受贈者が50歳に達した時点でなお贈与財産が残っている場合には贈与税が課税されてしまうこと、受贈者が50歳に達する前でも贈与者が死亡してしまうと残っている残余財産に相続税が課税されてしまうことなど、扱いにくい性質が見られるので適用を受けるか否かについてはよく考える必要があります。

この制度の適用を受けられるのは今のところ平成31年3月31日までとなっています。

まとめ

3回にわたって、贈与税に関連する各制度の非課税枠について見てきました。

既存の暦年贈与による非課税枠(年間110万円)を有効利用することが基本的な節税手段となりますが、実際の利用には落とし穴もあるので税理士等と連携して上手く進める必要があります。

また贈与税は実質的に相続税と連動しており、単独ではなく相続と合わせて考える必要があります。

今回紹介してきた非課税枠の中にも、生前贈与により相続時の相続財産を減らして節税効果を得られなければ活用する意味があまりないものもあります。

またそれぞれの個別のケースで目的とする制度を利用するとどんなメリットが得られるのか、そのメリットを得る代わりにどんなリスクを負う可能性があるのかも検討・比較してみることが大切です。

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