相続・遺言のすべてを分かりやすく。
コラム

相続発生時の「銀行口座の凍結」とは?(1)

2018.5.15
文字サイズ:

身近なご家族が亡くなり相続が発生すると、葬儀の手配や親族への連絡など否応なく多方面の手配に追われることになります。

そんな中、なにかと後回しにされて問題に直面してから大変なことに気づくのが、お金関係の支払いや清算に関しての問題です。入院していた病院代金の支払いや葬儀社への支払い、お寺さんへの戒名料のことなど、あわせると数百万円単位になることもあります。

相続の場面では、こうしたお金関係の清算をしようと故人の口座からお金を引き出そうとした時にその口座が凍結されていて引き出せない、という現象が起きることがあります。

今回はこの銀行口座の凍結問題について解説します。

銀行口座の凍結とは?

銀行口座の凍結というのは、開設されている口座を銀行側が一時的に利用できないようにしてしまう強制的な手法です。

口座を解約してしまったり閉鎖するわけではなく、預金はそのままで一時的に利用できないようにするものです。

普通の人は自分の銀行口座が凍結されるということはまずないと思いますので、そのようなことがあるのかと驚かれるかも知れませんが、相続以外でも例えば犯罪に利用された可能性のある口座を凍結してお金を引き出せないようにすることもあります。

では、相続は犯罪ではないのになぜ勝手に凍結されてしまうのでしょうか?

なぜ銀行口座は凍結されるのか?

被相続人の口座がなぜ凍結されてしまうのかというと、相続人間のトラブル回避と銀行側のリスク回避のためです。

人が一人死亡して相続が発生すると、その故人(被相続人)の周囲の複数人が相続人として財産を承継する権利を持つことになります。

実際は相続人が一人のこともありますが、それは銀行側はすぐには分かりません。

複数人の権利者がいる場合も、もちろん誰がどのくらいの財産を承継するかなどは銀行は知り得ません。

財産の中でも預金について承継する権利がない者が勝手にお金を引き出してしまうと、真の権利者の権利が侵害されて相続人間で重大なトラブルに発展することが予想されます。

そしてこれについては後で銀行側も責任を問われるリスクが内在します。

ですから相続が起きたならば、誰が相続人となるのか、各相続人がどの財産をどのくらい承継するのかがはっきりするまで被相続人の口座を一旦凍結させるという行動がとられるわけです。

なお、勝手に引き出した預金を自分の都合で使いこんでしまうと、「単純承認」とみなされて相続放棄ができなくなる恐れがあります。

故人に借金がある場合はその債務に追われることになる危険もあるので、自分の都合で凍結されないうちに引き出して使い込んでしまうことのないようにしてください。

いつ銀行口座は凍結されるのか?

銀行の口座が凍結されるのは、「銀行が故人の死亡を知った時」です。

問題はいつ死亡の事実を知るかですが、これはケースバイケースで異なります。

死亡届を役所に届けた時に自動的に銀行に通知されるなど公的な仕組みは一切ありません。

従って、銀行が死亡の事実を知るのは例えば以下のような場面となります。

  • 遺族が故人の死亡の事実を伝えた
  • 遺族が故人の預金の扱いのことで相談に訪れ、銀行が認知した
  • 故人の口座を解約しようとしたり、名義変更しようとして事情を聞かれた
  • 新聞の訃報欄を見て自行の預金者であると判断した

通常は遺族が申告したり、相談に行った時に事情を聞かれて凍結に至ることが多いと思われます。

口座を凍結されるのは、ともするとできるだけ避けたいという思いを持たれるかもしれませんが、わざわざ遺族が銀行に申告するのは、自分以外の他者が勝手に預金を引き出すことを防止することで、自分の利益を守ることにつながるからです。


ここまでで銀行口座が凍結される理由と凍結されるタイミングがわかったと思います。

しかし、いつまでも銀行口座が凍結されたままでは困ってしまう方が多いでしょう。次の記事で「銀行口座凍結の解除の方法」を解説します。ぜひご覧ください。

facebook発信中

相続のバイブルはfacebookページでも、見逃せない相続情報、ぜひ活用したいと評判のセミナー情報などを発信しています。
SNSのみの事例紹介やご相談も発信中。フォローお待ちしています。

相続のバイブルfacebookページ