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コラム

外国籍の人が関係する場合の相続手続き(2)

2018.6.19
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外国籍の人が関係する「渉外相続(国際相続)」では、日本国内での相続手続き以外にも考慮するべき点が多くあります。

その一例として前回は準拠法や相続人の特定について解説しました。今回は相続財産相続登記について確認をしていきましょう。

相続税が課税される財産の範囲

被相続人が外国籍だった場合の相続で、相続税が課税される財産の範囲についてですが、被相続人及び相続人の住所地や居住期間によって変わります。

相続人は

  • 居住無制限納税義務者
  • 居住制限納税義務者
  • 非居住無制限納税義務者
  • 非居住制限納税義務者

に分類され、国内財産のみ、あるいは国外にある財産まで課税されるかどうかが変わります。

例えば、被相続人日本国内に住所を有し相続人も日本国内に住所がある場合は「居住無制限納税義務者」の扱いになり、国内財産だけでなく国外にある財産も相続税の課税対象になります。

被相続人、相続人が共に日本国内での居住期間が短く、一時居住の外国人とみられる場合には「居住制限納税義務者」としての扱いになり、日本国内にある財産だけが相続税の課税対象になります。

一例をお見せしましたが、被相続人と相続人の住所地や居住期間の組み合わせによって実際には非常に複雑な体系になっているので、もしご自身が渉外相続の対象者になった場合は適宜専門家に助言を求めてください。

相続登記について

日本国内にある不動産の相続登記については、相続人が外国人であっても基本的には通常の処理と同じ過程をとります。

法務局で相続登記の手続きをすることになるわけですが、ここでも前の記事で説明した相続人の特定と同じ問題が出てきます。

すなわち、日本と同じような戸籍制度が無い国の国籍を持つ場合、通常必要になる戸籍謄本などの必要書類を準備できないことがあります。

台湾などは戸籍制度があるので、時間はかかりますが取り寄せることができます。

しかし戸籍制度そのものが無い場合は、やはり取得できる範囲での各種証明書あるいは宣誓供述書などを利用するしかありません。

住所の証明については、現在は一部の外国人も住民票を取得することができるので利用できます。

実際の事案では利用できる証明書等に制限が出ることもあるので、できれば専門家を介して法務局担当者と上手に意思疎通を図り、スムーズに手続きを進められるようにしてください。

まとめ

今回は外国籍の人が関係する渉外相続について見てきました。

渉外相続はまず適用される法律を確定させる必要があり、準拠法の問題が最も大きな課題となります。

実務の面でも日本とは異なる制度体系のため、必要書類の手配に多大な労力と時間がかかります。

相続税の課税対象についても通常とは異なるので、もし渉外相続事案の当事者となった場合は相当な労力を強いられることになりますから、この方面の問題に明るい専門家の助力を得ることが大切です。

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