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コラム

相続財産から控除できる債務のまとめ(1)

2017.6.19
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相続をするから相続税を支払わなくてはいけないと考えたとき、相続財産はあるけどお葬式の費用はかかるし、借金もあるぞ!と思いつくこともありますよね。

相続のケースでは、相続財産だけではなく、お葬式の費用や借金のように相続財産から差し引くことのできるものがあるケースも多いのです。相続財産から差し引くことのできるものの金額が多いときには、相続対策で相続税を考えるときにも考慮しなければなりません。

今回は、相続財産から控除することのできる債務について解説をします。

そもそも相続財産から債務を差し引くことができるのか?

被相続人が亡くなり相続が開始されると、相続人は、原則として被相続人の全ての権利義務を引き継ぐことになります。このことを法律用語で「包括承継」とよびます。相続人が何人かいる場合には、遺産分割が確定するまで全ての権利義務を共同で引き継ぐことになります。
この権利義務には、財産だけではなく債務も含まれます。財産がプラスの財産、債務はマイナスの財産と考えるとわかりやすいのではないのでしょうか。

ただし、被相続人の全ての権利義務を引き継ぐことになるといっても、被相続人が雇用されていた場合の地位や、被相続人が借りていたものについての借主としての地位については引き継ぐことができません。これは、その人以外が引き継ぐのは適当ではないものだからです。このようなものを「一身に専属する権利義務」とよびます。
法律で決められていないものでも、公営住宅の使用権、親権者の地位、画家である被相続人が約束した絵を描く約束なども引き継ぐことができないと解釈されています。

相続財産から差し引くことのできる債務には何があるのか?

(1)相続財産から差し引ける債務

相続財産から差し引くことのできる債務は、亡くなった人の債務の中で、亡くなったときに確実に存在すると認められるもののみです。亡くなった時点で債務が確定していないものは、相続財産から差し引くことはできません。

なお、被相続人に課される税金で、被相続人が死亡した後に、相続人などが納付することになった所得税などの税金については、被相続人が亡くなった時点では確定していませんが、相続財産から差し引くことができます。
ただし、この被相続人の所得税などの納付が、相続人の責任で遅れた場合の延滞税や加算税については、相続人の責任になりますので相続財産からは差し引くことができません。

次のような債務が、相続財産から差し引くことのできる金銭債務の例としてあげられます。

  1. 金融機関や個人からの借入金、未払いの利息
  2. 亡くなった後に支払期限のくる所得税、住民税、固定資産税などの税金
  3. 亡くなった方が入院していた場合などで医療費が未払いになっている場合、未払いの医療費
  4. 亡くなった方が使用していた水道光熱費や電話代などの公共料金

注意しなければならないのが、連帯債務や保証債務です。

連帯債務や保証債務を負う人が亡くなった場合には、相続した人が連帯債務や保証債務も引き継ぐと考えられ、これを引き継がないようにするには相続放棄の手続きをする必要があります。連帯債務や保証債務の取扱いには慎重にならなければなりませんので、連帯債務や保証債務が相続時にあると分かったときには、相続の専門家である税理士などに相談することをおすすめします。

(2)葬式費用

お葬式の費用は、亡くなった方の債務ではありませんが、相続税の計算上は相続財産から差し引くことができます。

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さて、ここまで相続財産から「差し引くことのできる」債務について解説してきました。他方、相続財産から「差し引けない」債務も存在しています。
こちらについては次回の記事で詳しく解説していきますので、ぜひご覧ください。

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