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コラム

相続に関する期限や時効のまとめ(2)

2017.9.8
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前回の記事では相続人、相続財産の確認の流れについて説明をしました。
相続人、相続財産が確定すると、引き続いて遺産分割について考えねばなりません。今回は遺産分割に関連する、期限や時効について確認をしていきましょう。

遺産分割請求権は時効のない相続権

被相続人が亡くなった場合、特に遺言書がないケースでは法定相続人が話し合いで遺産を分割する必要があります。「遺産分割請求権」とは、法定相続人遺産を公平に相続する権利であり、一定の兄弟が話し合いもなく不公平な相続を行った場合、後からでも支払いを請求する権利があります(時効はない)。

遺産分割請求権の注意ポイント

相続の内容を話し合うためには、遺産を正確に知る必要があります。特に法定相続人であっても、同居していない兄弟などは親の資産を知らないことがあります。まずは相続財産の全てを教えて貰うようにしましょう。遺産分割請求権には時効がないため、一旦は長男が全てを相続してから時間をかけて協議することも可能です。

「いらない」だけでは効力が発生しない相続放棄

配偶者や親の相続をすることで、多額の借金を背負うことになる…そのような事態を回避するために民法では、相続を辞退する「相続放棄(そうぞくほうき)」規定が定められています。

相続放棄を行うと法定相続人であっても「はじめから相続人とならなかったもの」とされて、相続の権利を失うことになります。つまり被相続人の相続財産がマイナスの財産であっても、それを相続する必要がなくなるのです。ただし、預金500万円、住宅ローン2000万円が残っているケースで相続放棄を行うと、預金500万円、不動産など全ての相続財産を放棄することになります。

相続放棄の注意したいポイント

相続放棄は他の相続人に宣言したり、遺産分割協議書に署名したりするだけでは効力はありません。相続放棄を行うためには「相続の開始を知った日(多くは被相続人が亡くなった日)から3ヶ月以内に家庭裁判所申し出る」必要があります。

兄弟間で相続を話し合う場面において、兄の作った相続放棄の書類に押印することで、 相続放棄したつもりになっていても、法的には何ら効力のあるものではなかった、というトラブルが発生するケースがあります。特に相続財産がマイナスの場合には3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きを行わないと、そのまま借金を背負うことになるので注意しましょう。

また相続権は「代襲相続」制度により、法定相続人先に亡くなっているケース被相続人の子供が親より先に死亡している)では、その子(孫)に相続権が移行します。しかし、相続放棄を行った場合では代襲相続認められないことを覚えておいて下さい。

相続財産を限定して相続する限定承認

原則として相続は相続放棄を行わない限り、全ての資産を相続しなくてはいけません。相続を受け入れる行為を「承認」と呼びますが、承認には相続財産の全てを受け入れる単純承認」と、一定の資産についてのみ受け入れる限定承認」があります。

限定承認の注意したいポイント

限定承認とは「相続財産のプラスの範囲内でマイナスの財産を受け入れる」相続方法で、マイナスの財産が明らかに多い場合や、借金などのマイナスの財産が不明確な場合に利用されます。

プラスの財産として預金が500万円あり、借金(マイナスの財産)が2000万円のケースでは、500万円分の借金のみを承認することになります。
例えば1000万円の借金を残して父親が亡くなり、プラスの財産は古い自宅だけの場合、限定承認を行うことで古い自宅の評価額(300万円)のみ承認し、息子が300万円を債権者へ支払うことで実家を守ることができます。相続的には有利な制度だと言えます。

ただし限定承認を行うためには「相続の開始を知った日(多くは被相続人が亡くなった日)から3ヶ月以内に家庭裁判所申し出る」必要があります。

また相続放棄と違い相続人全員で手続きを行う必要があります。相続人の一人でも合意しない場合は、限定承認ができないので注意して下さい(相続放棄した相続人は含まない)。


相続税の申告・納税に至るまでの過程においても、いくつもの期限や時効が存在していることがわかったかと思います。これらの期限や時効を把握して諸手続きを進めて行かないと、相続トラブルに繋がってしまう可能性が高くなります。

さて、次回の記事では相続税の申告と納税に関する期限や時効について詳しく解説します。ぜひご覧ください。

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