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コラム

死亡退職金と相続税の関係(1)

2018.5.1
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相続は人の死亡という事実によって発生するものですが、企業に所属している人が亡くなった場合は会社から一定の金銭が支払われることがあります。

死亡退職金」や「功労金」のような名目になりますが、これらはどちらも税務処理上は「死亡退職金」として扱われることになり、相続税の取扱いで注意を要すものでもあります。

今回は会社から支払われる死亡退職金と相続税の関係を解説します。

死亡退職金とは?

会社に退職金の支給に関する規定がある場合、定年などで退職するとその規定に従って退職金が支払われます。

在職中に死亡した場合でも、通常の退職金と同じようにそれまでの勤務年数や功績、あるいは未払い分給与の清算など一定の計算をしたうえで「死亡退職金」として支払われることになります。

会社に規定が無い場合は死亡退職金が支払われることはありませんが、支払いがある場合は相続税の処理手続き上、取扱いに注意を要します。

死亡退職金の相続時の取り扱われかた

死亡退職金のうち、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものについては、「みなし相続財産」として扱われることになります。

本来の相続財産は被相続人が生前に保有していた財産であり、死亡退職金は生前に保有していたものではないので原則でいえば相続財産とはなりません。

しかし実質的に本人に帰属する財産と“みなし”て、相続税の課税対象に加えるというのが税法上のルールになっています。

ただし、死亡退職金には一定の非課税枠があり、「500万円×法定相続人の数」までは相続税がかかりません。

なおここでいう法定相続人相続税法上のもので、養子については実子がいる場合は一人のみ、実子がいない場合でも二人までしかカウントできないなど民法上の概念とは異なる点に留意します。

ちなみに、被相続人死亡後3年を超えて支給が確定した死亡退職金は、これを受給する者の一時所得として所得税の課税対象になります。

法人にとっての死亡退職金

ここで、死亡退職金を支払う企業の側の視点に立って企業会計上の留意点を見てみます。

会社が支払う死亡退職金は、適正額であれば損金算入が可能ですので、経費として処理することができます。

適正額については明確な決まりがあるわけではなく、その企業の実態に応じて考える必要がありますが、役員に対する死亡退職金の適正額については以下のような目安の計算方法があります。

「最終報酬月額」×「役員在任年数」×「功績倍率」=死亡退職金額

上の「功績倍率」もまた明確な決まりがあるわけではないのですが、例えば

・社長=2倍~3倍

・専務=1.5倍~2倍

・常務=1.5倍

・平取締役=1.4倍

のように設定することができます。

実際には個別具体的に、その企業に見合った死亡退職金額でないと損金算入を税務署に認めてもらえないこともあるので、顧問税理士に確認するのが安全です。

これは一般従業員に対する死亡退職金の適正額の算出についても同様です。


死亡退職金は受け取る個人にとっても、支払う法人にとっても税法上のメリットがあることがわかりました。

さて死亡退職金の相談を受ける際によく論点になるのが「死亡弔慰金」です。次回の記事で詳しく解説します。

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