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コラム

「相続財産に関する費用」とは?(1)

2017.9.1
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被相続人の死亡により相続が始まってから、相続人に対して相続財産が引き継がれるまでの間、相続財産に関して様々な費用が発生します。

今回は、相続財産に関する費用に何があるのか、そして、法律ではどのように取扱うことになっているのか、について解説していきます。

「相続財産に関する費用」には何があるの?

相続財産に関する費用には、まず定期的、継続的に発生するものとして、相続財産についての固定資産税や火災保険料があります。また、相続が発生したことで財産を保全するために、相続不動産の保存登記費用、相続財産を修理するために必要な費用が考えられます。
さらに、相続手続きのために鑑定評価費用財産目録作成費用なども発生します。

これらの相続財産に関する費用は相続が開始してから発生するので、亡くなった被相続人の債務ではありません。

したがって相続には関係しないようにも思えますが、相続に関係する費用と考えてその費用は各相続人が負担することが一般的です。

また、相続財産に関する費用とは性質が異なりますが、相続が発生すれば相続税や葬式費用も発生します。

相続税については相続財産を承継した相続人が負担することが一般的ですが、葬式費用については喪主が負担することが一般的です。これは、葬式で香典を取得するのが喪主であるためです。

では、法律上はどのような取扱いがされているのが具体的にみていきましょう。

相続財産に関する費用についての「民法」上の取扱い

民法では、第885条で相続財産に関する費用について「相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する」と定められています。支弁(しべん)とは「金銭を支払うこと」という意味です。

「相続財産に関する費用」は、「相続が発生した後の遺産分割によって誰がどの財産を相続するかが決まるまで」の期間に、相続財産に関して発生した費用のことをさします。

民法では、相続財産に関する費用は、被相続人が負担していた債務ではなくても「相続財産が負担する債務」という意味で、相続債務の一種と考えていることがわかります。

従って、もし相続人の1人が相続財産に関する費用を立て替えて支払っているような場合には、法定相続分に応じて各相続人に求償、つまり、立て替えて負担した分を返してほしいという請求をすることができます。

ただし、相続人の過失、つまり不注意で相続財産の管理費が発生した場合には、その不注意のあった相続人が管理費用を負担しなければなりません。


次回の記事では「相続税法」で相続財産に関する費用がどのように取り扱われているかについて確認していきます。民法上の取り扱いと、どのような違いがあるのでしょうか?

 

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