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コラム

寄与分についての理解を深めよう(2)

2018.3.1
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前回の記事で解説したとおり、寄与分は他の相続人に認めてもらわないと成立しないものですが、領収書などの計算の根拠になるものが無いことが多く正確に換算し辛いため、相続トラブルの引き金になりやすいものです。

今回は、寄与分を他の相続人に認めてもらうための手続きの流れを解説します。早速見ていきましょう。

寄与分を認めてもらうにはどうしたらいいのか?

寄与分は自分で主張するだけでは足りず、他の相続人に認めてもらわなければなりません。

そのためには以下の方法があります。

①遺産分割協議

寄与分として認めるかどうか、認めるとしたら数字にしてどれくらいの金額として算定するのかは、相続人同士の話し合いで決めるのが原則です。

遺産分割協議を行って、話し合いがまとまればそれを遺産分割協議書に記載しておくことになります。

しかし取り分が少なくなるのを嫌って、寄与分を認めなかったり過小評価する共同相続人がいて寄与者が納得できない場合は家庭裁判所の力を借りて遺産分割調停を利用します。

②遺産分割調停

公平な第三者となる家庭裁判所の調停委員が間に入り、事件解決のための落としどころを探るのが遺産分割調停です。

当事者はお金の問題が絡んでいることもあり、また親族同士特有の人間関係も絡んでセンシティブな状態になっています。

感情的になってしまい冷静な判断ができないこともあるので、冷静に事件を見つめることができる調停委員が事件を整理して、各自から譲歩を引き出すなどして落としどころを探ります。

これで各自納得できれば良いのですが、どうしても寄与分を認めたくない者がいると調停は不成立となり、その場合は裁判所が職権で寄与分を決める遺産分割審判を利用することになります。

③遺産分割審判

遺産分割審判は遺産の分割全体について裁判所に決定してもらうものですが、その中で寄与分についても判断を求めることになります。

ただし、話し合いで事が進む協議や調停と違い、審判では客観的な証拠がなければ寄与分を認めてもらうことはできません。

もちろん協議や調停でも客観的な証拠があれば主張しやすいのは当然ですが、審判ではよりその重要性が増すということです。

ですから寄与分を認めてもらいたい人は、説明資料や数字的な根拠を示すことができる領収書、契約書などの類をできるだけ多く集めておくことが必要です。

まとめ

今回は被相続人の生前に特別に寄与した相続人に認められる「寄与分」について見てきました。

遺産の取り分の公平性を考えて作られた制度ですが、その算定は相続人間の話し合いによるのが原則であることと、取り分が少なくなる他の相続人は心情的に認めたくないことが多いことから争いになることが多いのが実情です。

認めてもらうには証拠集めが重要になってきますので、相続が発生する前から余裕を持って収集しておくのが望ましいと言えます。

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