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コラム

寄与分についての理解を深めよう(1)

2018.2.27
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相続における遺産の取り分については何かと争いの火種になることが多く、「争続」の原因になりやすいのはみなさんもご存じの通りです。

一応、法定相続分という公平さを意識した取り分の指針も用意されていますが、現実には個別ケースで様々な要素が絡むことも多く、一筋縄でいかないこともしばしばです。

今回は遺産の分配に関して争いを生みやすい「寄与分」について解説します。

寄与分(きよぶん)とは?

寄与分(きよぶん)」というのは、被相続人の生前にその財産の維持や増加に特別に寄与(貢献)した相続人にのみ認められる優遇措置のことです。

寄与した分は遺産の分配において別枠計算がされることになるため、寄与分を他の共同相続人に取られずに済むことになります。

寄与分が認められる具体的な例を示すと以下のようなものがあります。

被相続人の家業に従事した

例えば、農業その他の自営業を妻や子が協力して行っていたなどの場合が該当します。従業員として雇われていたようなケースは通常寄与分とはなりません。

被相続人の療養看護に努めた

生前の被相続人の療養看護に努め、本来被相続人が支弁するべき医療費などを肩代わりしていたような場合が該当します。

③財産を給付していた

生前の被相続人の借金を肩代わりしたり、金銭の給付を行っていたような場合が該当します。


上記のような寄与をした分、つまり「寄与分」は特定の相続人が負担したものですから、他の共同相続人よりも優遇してやる必要があります。

そこで遺産の分配においては寄与分を数字に換算し、計算上除外することになります。

寄与分の計算方法

寄与分についてはこれを負担した相続人に別枠で取り分を確保するため、現実に発生した相続財産から寄与分を減算してから分配することになります。

例えば、相続人となる者が被相続人の子どもA、B、Cの三人のケースで、残された遺産が3,000万円だったとします。

法定相続分通りに分配すると、各自1,000万円ずつの取り分となります。

しかし長男Aは、被相続人の父親の借金600万円の返済を肩代わりしていました。

これが寄与分として認められると、まず遺産総額3,000万円から600万円を減算し、その残りの2,400万円を分配の対象とします。

すると三人で各々800万円ずつの取り分となりますが、長男Aには減算した分の600万円がさらに加算され、計1,400万の取り分となります。

このように、生前の被相続人に対する貢献を遺産の取り分として認めてあげるのが寄与分という制度です。

ただし、寄与分は領収書などの証拠が残っていなかったり、単純に数字に換算しにくい性質も持つことから、どれくらいの寄与分を認めるかについて争いになりやすく、その意味で「争続」の火種になりやすいのが難点です。


寄与分は他の相続人に認めてもらわないと成立しませんが、ここまで見てきたとおり単純に換算しにくい、という性質も持っています。

これらの特徴を踏まえ、次回の記事では、寄与分を成立させるための手続きの流れを確認していきましょう。

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