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コラム

作成した遺言の変更や取消し(撤回)はどうすればいい?(2)

2018.1.11
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作成した遺言の変更や取消し(撤回)が可能であることは前回の記事で述べたとおりです。

こちらでは遺言の「変更」の方法について確認をしていきます。実務上のポイントも解説しています。早速みていきましょう。

遺言の変更の方法

自筆証書遺言の場合

新たに作成する自筆証書遺言または公正証書遺言で、前の遺言特定の内容を指定して、変更後の内容を書き記すことで変更することができます。

ただ、遺言の変更は後で矛盾箇所、抵触箇所の取扱いを巡って相続人の間で争いの種になることがあるので、実務では前の遺言を全て撤回したうえで新たに作り直すことが強く推奨されています。

公正証書遺言の場合

新たに作成する自筆証書遺言または公正証書遺言で、前の遺言特定の内容を指定して、変更後の内容を書き記すことで変更することができます。

新たな遺言公正証書遺言とする場合、原則として前の公正証書遺言を全て撤回したうえで新たな公正証書遺言を作成するように指導されます。

変更内容が小さく、「補充または更生」の範囲内と認められる場合には「補充証書」、「更生証書」というものを作成することで変更とすることもできます。こちらは別途所定の費用がかかります。

新たな遺言自筆証書遺言にすることもできますが、発見されない恐れもあるためやはりお勧めできません。

撤回と変更の方式は前と違ってもOK

上述しましたように、新しい遺言で旧遺言を撤回、または変更する場合には古い遺言の方式と同じ方式でもできますし、以前のものとは別の方式でも可能です。

例えば公正証書遺言の内容を新しい自筆証書遺言で撤回・変更することができますし、その逆も可能です。

ポイントは自筆証書遺言公正証書遺言などの方式によって優劣が付くのではなく、「日付の新旧」の差で優劣がつけられ、より新しい方の遺言の内容が優先されるということです。

内容的に新旧二つの遺言で抵触する箇所がある場合も、新しい遺言に記載された内容の方が優先します。

効力が発生した遺言を取り消すことはできるのか?

被相続人が死亡し効力が発生した遺言について、遺族がこれを取り消すことはできません

相続人間で遺言の有効性に争いがある場合、その効力をなくすには遺言無効確認訴訟による必要があります。

まとめ

今回は遺言の撤回と変更について見てきました。

変更と一部のみの撤回は矛盾箇所、抵触箇所を生み相続発生後に遺族間で思わぬ争いを生む種になることがあるので、実務上は旧遺言については全体を撤回し、新たに遺言を作成することが多いです。

また、撤回や変更ももちろんですが、遺言の作成自体にも細かいルールがあり、これに則っていないと遺言全体が無効になる恐れがあります。

自筆証書遺言ではわずかなルール逸脱により無効になってしまうケースも散見されるので注意が必要です。

この点、専門家である公証人が関与して作成される公正証書遺言であれば間違いのない遺言を作れるので安心です。

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