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コラム

贈与者の死亡により効力が生じる契約「死因贈与(しいんぞうよ)」(2)

2017.9.25
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前回の記事では、死因贈与の概要、および、死因贈与遺贈の違いを確認しました。それらを踏まえて、本記事では死因贈与メリットを考えてみましょう。

なぜ死因贈与が必要?メリットを考えてみる

一般的な相続に使用されている遺贈に対して、死因贈与 が必要な理由はどこにあるのでしょうか?死因贈与のメリットを考えてみましょう。

メリット1.契約なので必ず財産を渡すことができる

遺言書における遺贈では、一方的な指名になることから「受取拒否」「放棄」などが起こる可能性があります。また被相続人が死亡して、初めて遺言書を見た家族にとって財産を他人へ譲るなど、辛い内容が書かれているかもしれません。

しかし死因贈与はあくまで契約行為なので、被相続人が死亡した後の受取拒否は原則としてできません。被相続人から見れば、確実に財産を引き渡すことができます。また家族も契約内容を知ることから、スムーズな財産移行手続きができるようになります。

メリット2.必ずしも契約書が必要ではない

死因贈与 では被相続人が死亡する前に、贈与に関する契約書を作成することが大切です。

この契約書には死亡後に贈与する財産や贈与者と受贈者の署名捺印が必要ですが、必ずしも文書による契約書が必要ではありません。例えば法定相続人の前で、口頭でお互いに了承したり、弁護士など第三者を交える場での話し合いであったりすれば、十分に口頭でも死因贈与契約は有効になります。

「俺が死んだらこの車あげるよ」「おぅありがたく貰うよ」このやり取りでも死因贈与契約は有効ですが、それを証明する人が必要です。

メリット3.負担を付けることができる

死因贈与は契約なので、契約書に「負担」条項を付帯することができます。

負担とは財産を譲る代わりに一定の行為を求めることで、「死亡後不動産を譲るので、最低10年間は売却せずに住んでほしい」などの条件を付けることです。これが「負担付死因贈与」です。

負担付死因贈与契約で注意すること

負担付死因贈与契約では贈与者の生前に、受贈者に対して負担を求めることができます。最近では介護の現場において負担付死因贈与契約が利用されることが多くなりました。

最近増加している負担付死因贈与契約

Bさんは独居老人です。

夫は亡くなって久しく、子供2人とは離れて暮らしており、同居することはできません。そこでBさんは近くに住んでいる、姪に「自分と同居して世話をしてくれたら、自分が死亡したらこの家を譲る」と提案しました。姪は承諾して「Bさんと同居して死亡するまで世話(介護)をする」ことを条件に、負担付死因贈与契約を結ぶことになりました。


このように生前に介護の負担を付けることで、死亡後に財産を贈与する負担付死因贈与契約が近年増加しています。

ここで注意したいのは「介護に疲れて1年で辞めた」「半年後に同居を解消した」など、負担条件を満たさない場合には、負担付死因贈与契約も無効です。また、契約通りに負担を履行しているにも関わらず「気が変わったから」と言って、贈与者から一方的に契約を破棄することもできません。


さて、ここまで死因贈与負担付死因贈与の概要、メリットや注意点を解説してきました。次回の記事では、実際に死因贈与契約を成立させるためのポイントについて詳しくみていきたいと思います。

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