相続・遺言のすべてを分かりやすく。
コラム

贈与者の死亡により効力が生じる契約「死因贈与(しいんぞうよ)」(1)

2017.9.21
文字サイズ:

人が亡くなると被相続人となり、財産や資産を法定相続人(家族)が相続することになります。また生前の被相続人の希望により、遺言書を作成して一定の人に財産を譲ることも可能です。では、被相続人の財産は法定相続人遺言で指名された人以外は、譲り受けることはできないのでしょうか?

死因贈与(しいんぞうよ)」と呼ばれる契約は、遺言書に頼らず財産を一定の人に譲る制度です。生前に行う死因贈与契約について紹介します。

お互いの合意により効力が出る死因贈与(しいんぞうよ)

死因贈与」とは、被相続人となる「贈与者」が生前に一定の財産を「受贈者」に贈与する契約を締結することで、贈与者が死亡した際に効力が生じる贈与(相続)のことです。少しややこしいので簡単に例を上げて説明します。

死因贈与の例

Aさんの家族は妻と子供が2人います。
Aさんが死亡した際の法定相続人は妻、子供の合計3名です。Aさんは会社を経営しており、会社の敷地はAさん個人の名義でした。
Aさんの子供は会社を継いでおらず、Aさんは自分が死んだ場合には、会社の敷地を一緒に仕事をしている甥に譲りたいと考えていました。

そこで弁護士と相談した結果、甥と死因贈与契約を結び、自分が死んだ場合には会社の敷地を譲ることにしました。


上の例で説明しますと、Aさんは何のせずに死亡した場合、会社の敷地を含めた全ての資産が法定相続人である3人の家族が相続することになります。
しかし、それでは会社を引き継ぐ甥に問題が出ることも考えられることから、あらかじめ甥と死因贈与契約を結んだのです。

このように死因贈与とは死亡した場合に、自分の財産を贈与する契約で、贈与者(Aさん)と受贈者(甥)の合意が必要です。

遺言で行う遺贈一方的な贈与で、受贈者合意は必要ありません遺贈と違い死因贈与は、生前に双方で合意した契約によって財産を譲り渡す制度です。

死因贈与と遺言による遺贈(いぞう)の違い

一般的に遺産を被相続人の意思により譲るには、「遺言書」の作成が有効です。

遺言書被相続人が自分の財産を、「誰に」「どのような分配で」「条件は?」などを記載することで、自分の意思で財産分配ができます。このように遺言書は相続において、被相続人の意思を尊重することができる制度ですが、あくまで一方的な贈与でありこれを「遺贈(いぞう)」と言います。

また、遺言書はあらかじめ公開する必要のない文章で、被相続人が死亡して初めて内容が明かにされることも少なくありません。

一方、死因贈与はあくまで双方の合意が必要であり、一方的な遺贈とは全く違う意味合いがあります。死因贈与遺贈の違いを簡単に比べてみましょう。

死因贈与と遺贈の違い

死因贈与 遺贈
意思表示 お互いの合意が必要 一方的な遺言書の記載
効力の発生 被相続人の死亡 被相続人の死亡
相続の実行 死亡してからの拒否は原則不可 放棄が可能
文書の必要性 口頭契約でも効力がある 規定の遺言書が必要

死因贈与遺贈の違いは確認できたでしょうか。次回はこの違いをふまえ、死因贈与 のメリットを考えてみましょう。

facebook発信中

相続のバイブルはfacebookページでも、見逃せない相続情報、ぜひ活用したいと評判のセミナー情報などを発信しています。
SNSのみの事例紹介やご相談も発信中。フォローお待ちしています。

相続のバイブルfacebookページ