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コラム

相続税申告における「書面添付制度」とは?

2018.9.11
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税理士の仕事の一つに、税務に関する監督官庁である国税庁や税務署と国民の間の調整役となって事務処理をするものがあります。その代表的なものが確定申告書の作成と提出の業務ですね。

ほとんどの人がご存じないと思いますが、確定申告関係の業務では「書面添付制度」というものがあります。今回はこの「書面添付制度」についてお伝えします。

書面添付制度の概要

書面添付制度の「書面」とは、税理士がその確定申告について、様々な調査を行い、数字の裏付けをとったことを説明した書面のことです。

つまり、ただ依頼人の要望に従って申告書を作成しただけではなく、預金通帳や事業の内情など必要な事項を調査し、確かに数字の根拠を取りました、ということを説明したものです。

「税務署の代わりに税理士が詳しく調査を行ったので、わざわざ税務署が動かなくても大丈夫です」という保証書のようなものと考えてください。

税理士には重い社会的責任がありますから、100%ではないにしても基本的には税務署も税理士を信用しています。

その税理士が正しい申告内容であることを保証することで、税務署に疑われない申告ができるようになります。

その代わりに、もし申告が虚偽の内容となっていた場合は税理士は懲戒の対象になってしまうので、これが虚偽申告に対する強い牽制となり、当該申告の信頼性を担保することになります。

書面添付制度のメリット

書面添付制度のメリットは以下の2つがあります。

①税務調査が入る確率が低くなる

懲戒請求の可能性があることにより、税理士の信用を基にした信頼性の高い申告内容となるので、税務調査の対象になりにくくなります。

またもし疑義が出た場合、通常は直接税務調査の通知対象になりますが、書面添付制度を利用している場合はまず税理士に対して「意見聴取」が行われ、税理士が疑義を晴らすことができれば税務調査は省略されます。

税務調査には納税者も現場に立ち会わなければなりませんが、意見聴取は税理士が対象ですので、依頼者たる納税者は立ち会う必要はありません。

税務調査が行われてしまうと、仮に税理士が立ち会ってくれるにしても長時間税務署担当官からの質問攻めに対応しなければなりませんから、大変な苦痛を伴います。

税務調査の可能性が大きく減ることは納税者として大きなメリットになるでしょう。

②ペナルティ(過少申告加算税)を回避できる

もし仮に意見聴取で疑義を晴らせず、税務調査が入ってしまい何らかの申告ミスが発覚した場合でも、ペナルティの加算税の課税を免れることができます。

加算税には過少申告加算税無申告加算税重加算税がありますが、申告自体はしているので無申告加算税はこの際対象になりません。

そして書面添付制度を利用した場合は、仮に何らかの申告ミスがあったとしても、他の二つの加算税についても適用がなくなるというメリットがあります。

ただし、申告が遅れた分の税金について延滞税(利息のようなもの)はかかります。

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