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コラム

「成年後見制度」の基本をおさえよう(2)

2018.2.15
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認知症などにより判断能力が落ちてしまった方を法的に支援する「成年後見制度」。

前回の記事では「すでに判断能力が落ちてしまった人を支援する」仕組みの法定後見制度の概要を解説しました。こちらでは、将来の判断能力の低下に備えておきたいという要望に応えることができる「任意後見制度」について解説をしていきます。早速見ていきましょう。

成年後見制度の種類

②任意後見制度(にんいこうけんせいど)

任意後見制度は、今現在本人は元気であるけれども、近い将来認知症などで判断応力が落ちた時に必要な支援を受けられるように事前に準備しておくことができるものです。

本人と支援者となる人の間で契約を結び、必要となる支援の内容を自由に決めることができますが、任意後見契約を有効に締結するには公証人によって公正証書化する必要があります。

「老い支度」の意味合いが強く、法定後見制度の利用が必要になるほどに本人の判断能力が大きく落ちる前の段階で利用を検討されることになります。

実務では、任意後見契約に付随する形で別途の委任契約を結び、財産管理や買い物、食事、療養看護、あるいは見守りなど本人の日常の世話についての約束事を取り決めることが多いです。

メリットとしてはこのように生活支援について自由度の高い設定ができる点があります。

デメリットとしては、本来本人の判断能力が大きく低下し任意後見契約の支援ではカバーできなくなった段階で、随時法定後見制度に移行させるため家庭裁判所での手続きが必要になるところ、手間や金銭の問題などで支援者がこれを嫌がり、本人の保護が遅れてしまうことがままあります。

また法定後見制度のように、本人が結んでしまった他者との契約を支援者が後から取り消すことができません

成年後見登記制度とは?

上述した法定後見制度や任意後見制度を利用するにあたり、被支援者がどんな支援を必要とし、それを支える支援者にどのような権利が付与されているのかなどは人それぞれ異なります。

成年後見登記制度は、どのような支援内容となっているのかを登記して公示するためのシステムで、登記される内容は必要に応じて「登記事項証明書」の形で発行することができます。

代理権、同意権などを持つ各支援者は、契約の相手方等に自分が持つ権限を証明しなければならない時があります。

契約の相手方からみると、目の前の支援者が本当に本人に代わって契約を代理することができる権限を持っているのか確認しなければ、後から契約を反故にされるリスクがあるからです。

そのようなシーンで登記事項証明書を活用して権限を証明し、必要な契約を結ぶことができるようになります。

まとめ

今回は「成年後見制度」の基本的な仕組みを見てきました。

実際には色々と細分化された種類があり、それぞれ法的な効果や運用方法が異なります。

各支援制度の利用にあたっては、本人の判断能力の低下度合いは千差万別ですからそれぞれのケースに最も適した支援内容を選択する必要があります。

本人がどのような点で生活上の不安を感じているのか、また家族など近親者がどのようなことに不安や危険を感じているのかを個別ケースでよく観察し、最も適当と思われる支援制度の利用を検討することが重要です。

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