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コラム

養子縁組をしている場合の相続における注意点(3)

2018.3.29
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前回の記事でお伝えしたとおり、養子縁組を行った場合、相続時にメリットを享受できる可能性があります。

ただし、養子縁組制度を利用する場合は、デメリットや注意点をしっかり踏まえておかないと大きな不利益を生んでしまう危険があります。以下で確認していきましょう。

養子縁組を行った場合の注意点

 

①法定相続人に含めることができる人数が決まっている

少しややこしくなりますが、養子の扱いについては民法上と相続税法上で異なる点に注意が必要です。

民法上は養子の数に制限はありませんが、相続税法上は「子」にカウントできる数に制限を加えています。

前回の記事で解説した基礎控除や生命保険、死亡退職金の非課税枠の計算で、法定相続人にカウントできるのは被相続人実子がいる場合は一人まで実子がいない場合でも二人までしかカウントすることができません。

②「孫養子」は2割加算の対象になる

被相続人が自分の孫を養子にする場合、その者を「孫養子」と表現します。孫でありながら法律上は養子として「子」の身分も有することになります。

ここで、被相続人とごく近しい「配偶者」と「一親等の血族(代襲相続人含む)」以外の者は、相続税の税額に二割が加算されるという相続税独特の制度があるのですが、この制度と孫の関係で注意すべき点があります。

まず、孫は二親等ですから、基本的には二割加算の対象になります。

孫を養子にすれば一親等の「子」となるので本来は二割加算の対象から外れることになりますが、相続税法上でこの原則を修正し、孫養子は原則として相続税の二割加算の対象者として扱われてしまいます。

ただし、相続の際に孫養子の親が死亡しているなどで代襲相続人となれる場合は二割加算の対象から外れることができます。

③相続分や遺留分に関連するトラブル発生の可能性

養子を迎えることは基礎控除や非課税枠を増やす作用があることから、相続全体を見れば税負担を軽減してくれます。しかし複数相続人がいる場合、各相続人の思惑は少し違うことがあります。

養子が増える分、各相続人の取り分は減少することになりますから、これを良く思わない相続人もいるかもしれません。

特に相続人予定者に無断で、あるいは秘密にして養子を迎えた場合は後で相続トラブルの火種になる可能性があります。

また養子は遺留分も獲得することができますから、逆に他の相続人の遺留分は減少することになります。

こうしたことから、実子と養子の間でいがみ合いにつながる危険もあります。

④利益相反の問題

孫養子を迎えた場合、その親が生存していれば孫養子と一緒に相続人となります。

この時、孫養子が未成年である場合は、遺産分割協議で自らが有効な法律行為ができないため協議に参加することができません。

子の代理権を持つ親も、相続では同じ相続人としての立場となるため、利益相反行為となり代理ができません。

この場合は、家庭裁判所で特別代理人を選任してもらわなければならなくなります。

⑤税務署に否認される可能性もある

養子縁組制度は本来、子どもが望めない家庭などのため、血縁関係を超えて家族になりたいという願いを叶えるための制度です。

相続税の分野では節税効果があるのは事実なのですが、節税目的のためだけにされた養子縁組は本来の制度趣旨にそぐわないことから、税務署に否認される可能性があります。

つまり、狙った節税効果を得られないということになるわけです。

否認されるかどうかは個別ケースの事情を具体的に見て判断されることになりますが、例えば養子縁組の時期が相続の時期と近接していて、養子と養親の間には特に深い親交がないなどという場合は否認されやすくなります。

まとめ

今回は養子縁組と相続の関係を確認しながら、そのメリットや注意点について解説してきました。

節税面のメリットがあるものの、相続税法上で一定の制限がかけられていたり、注意を要するリスクやデメリットもあります。

思わぬ落とし穴にはまる危険もあるので、すでに養子縁組をしている場合はメリットを引き出しつつリスクを回避できるよう、一度は専門家にアドバイスを求めておくと良いでしょう。

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