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コラム

遺言書の「付言事項」活用のポイント(3)【参考例あり】

2016.3.17
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遺言書に自分の思いや、遺言書を作成した背景などを自由に記載出来る「付言事項(ふげんじこう)」。

今回は、中小企業を経営されているオーナー経営者が、家業である会社の経営権を長男に相続させたい場合を考えてみます。

※以前の記事はコチラ

株式の相続が必要な理由

父と息子

株式会社は、株式をどれだけ持っているかによって、会社の経営に参加できるかどうかが決まります。

「株式の過半数を所有することで会社の経営権を有する」と言われますが、決議事項によっては、株式の2/3以上の所有が必要な場合もあります。また、株式の少数しか所有していなくても、株主提案権などの権利を持つことができます。

つまり、長男が家業に携わっている場合で、ご自分と同じようにオーナー経営をしてもらいたい場合には、安定した会社経営のためにも株式の全部を長男に相続させるのが望ましいでしょう。

株式以外の財産について

オーナー経営者と会社の間で、土地や建物の賃借が発生している場合、事業にかかわる資産についても、長男に相続してもらうことが会社の安定には望ましいことがあります。
家業を継ぐ長男には会社の株式や、事業にかかわっている資産を相続してもらい、そのほかの家族には、それ以外の資産を相続してもらいたいところです。

家業への貢献度を具体的に

そのような場合には、他の家族にも相続権がありますので、相続の内容で争いのもととなる可能性があります。事業の継続が困難とならないように、ご自分の気持ちや、家業に貢献してきた長男の功績、他の家族への感謝の気持ちなどを付言事項として記載しておくとよいでしょう。

この場合、

私は、○○会社を設立し経営してきました。仕事が忙しく、家族と一緒に過ごす時間も少なく、妻の○○や、子供らには苦労をかけてしまい、大変申し訳なく思うとともに、とても感謝しています。

長男○○は、○○会社の経営に携わってくれ、業績が悪化した折には、昼夜を問わず尽力してくれました。資金対策にも駆け回ってくれました。今、この○○会社が存続していられるのは、長男○○の貢献によるところが大きく、○○会社の経営を長男○○に継いでもらいたいと思い、株式については長男○○に相続させることにしました。

また事業にかかわる資産についても、会社経営の安定のために、長男○○に相続させることにしました。妻○○、仕事に忙しい私をずっと支えてきてくれて、ありがとう。私が仕事に励んでこれたのは、妻○○の支えがあったからこそです。長女○○も、結婚したあとも、長男○○の相談によくのってくれて、ありがとう。父としては、兄妹仲良く支えあっていてくれることが本当に嬉しいです。

この遺言内容がもとで、家族がもめることのないよう、今後も家業発展に協力し合っていってくれることを切に願っています。

などというように、家業に貢献してくれた長男の功績を具体的に入れることがポイントです。今後も家業を存続させていってほしいという気持ちを、効果的に伝えることができます。

また、他の家族も、今まで家業に協力してきたわけですから、 長男だけではなく、他の家族への感謝の気持ちも、具体的に記載しましょう。

今後も家業のために、協力しあってほしいという気持ちを伝えることができます。

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