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コラム

相続税額の2割加算とは?(2)

2018.3.15
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相続税額の2割加算」の概要について、前回の記事で解説しました。

被相続人との関係によって、2割加算されるかされないかが決まります。要点をおさらいすると

2割加算されないのは、夫、妻、父母、子、代襲相続人となる孫

2割加算されるのが、兄弟姉妹、おい、めい、祖父母、代襲相続人でない孫、被相続人の養子となった孫(代襲相続人となる場合は除く)、遺贈を貰う友人など

です。ここで注意しないといけないのが「孫」の立場になる人たちでです。今回は「孫」を養子にした場合の注意点を中心に確認していきましょう。

孫養子の場合の注意点

養子は法律上養親の子どもとなる身分を取得しますので、一親等の扱いになります。したがって、原則として2割加算も適用になりません。

ここで、孫を養子に迎えた場合、その者を「孫養子」と呼びます。

この孫養子の場合、前述した原則が修正されて、相続税法上は2割加算の対象として扱われてしまうのです。

ただし、もしその孫養子の親が相続時にすでに死亡していて代襲相続人となる場合は、2割加算の対象から外れることができます。

「孫に財産を残したい」という要望は多くの方が持っていますが、原則でいけば孫は2割加算の対象になることには留意しておく必要があります。

代襲相続人となれば加算の対象外にできますが、代襲相続人となれるかどうかはその親(被相続人から見て子)がいつ亡くなるかという自然偶発的な要素に左右されるので確実性は相当低くなります。

これは孫を養子にした場合も、例外的に2割加算の対象にされてしまうので同様です。

孫に財産を渡すことを目的にするならば、ケースによっては生前贈与などを上手く考えて工夫する方が良いこともあります。

2割加算の計算方法の具体例

ではここで簡単な例を挙げてみましょう。

相続人となるのが被相続人実子Aと、孫に迎えたAの子、つまり孫養子Bの二人です。

遺産総額は1億円のケースとします。

被相続人に実子がいる場合は相続税の基礎控除枠法定相続人一人まで養子をカウントできますから、基礎控除枠は二人分使えます。

3,000万円+600万円×2=4,200万円分を基礎控除として減算し、残りの5,800万円が課税遺産総額となります。

相続税の総額を計算する為、一旦、法定相続分に従って相続したとして仮の計算をします。

AとBは同じ子としての扱いですからそれぞれ二分の一、2,900万円ずつの取り分となり、これに対応する相続税率は15%、控除額が50万円です。

従ってそれぞれ385万円、二人合わせた相続税の総額が770万円ということになります。

次に各人の相続税額を割り出す工程に入りますが、実際の相続割合も法定相続分通りの取り分だったとします。

すると、Aはやはり770万円×二分の一で385万円、先に計算した個人負担分そのままです。

しかし孫養子Bの方は同じ計算で算出した385万円に2割が加算されますから77万円が加算されて462万円が個人負担分の相続税額となります。

ポイントとしてはこのように実際の取り分が同じであっても一方の相続税の負担が重くなるということ、そして家族全員の負担として見た場合もその分余計に税金がかかることです。

家族全員分として、Aの385万円とBの462万円で、二人合わせた総額は847万円となります。

まとめ

今回は相続税額の2割加算の仕組みについて見てきました。

被相続人と関係が濃い配偶者と一親等以内の血族(代襲相続人含む)以外の者は、相続税の個人負担額に2割も加算されてしまうというものですからなかなか負担が大きいものです。

問題となりやすのが孫の扱いで、孫養子がいた場合代襲相続人にならない限り、「子」扱いであっても例外として2割加算の対象になることは覚えておきましょう。

孫に財産を譲ることを検討するならば、生前贈与などで安全に負担なく財産を移転することも可能です。早めに税理士などに相談して有効な対策を取るようにしてください。

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