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コラム

相続対策を考えている方は必見。相続時精算課税制度とは?(3)

2017.3.9
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相続時精算課税制度(そうぞくじせいさんかぜいせいど)について、制度の概要と適用要件具体的な計算方法について、ここまで解説をしてきました。

今回は相続税精算課税制度メリットとデメリットについて説明をしていきます。相続対策を考えるにあたって、役にたつ内容かと思います。ぜひご覧ください。

相続時精算課税制度のメリットとデメリット

相続時精算課税3

相続税精算課税制度は必ずしも得といえるわけではなく、メリットとデメリットがありますので、メリットとデメリットを考慮して適用を受けるかどうかを検討することになります。

(1)メリット

①財産が値上がりしたときに有利になります。

相続税精算課税制度は、贈与時点の評価額を基準にして計算されます。相続が発生して贈与税を精算するときにも、この評価額は変わりません。相続時に評価額の値上がりが予想される財産については、評価額が値上がりしてから相続時の評価額で相続税を計算するよりも、相続税精算課税制度を利用した贈与のほうが有利になります。

②相続税が発生しないような贈与のときには、2,500万円以内の贈与であれば、無税で生前贈与が可能になります。

③財産の譲渡しを相続時の相続まで待たずに、生前に贈与することができるので、特定の財産を譲渡したい場合には、相続時のトラブルを心配することなく、相続と同じ感覚で財産を譲渡すことができます。

たとえば、不動産収入の発生するマンションがある場合には、相続時の相続でマンションを引き継ぐと、相続時までの不動産収入を使わずに預金で貯蓄している場合は、不動産収入も相続財産となり相続税がその分高くなりますが、生前贈与でマンションを引き継ぐのであれば、不動産収入は贈与された人の所得となり、相続財産評価額には影響しません。

(2)デメリット

①相続時精算課税制度の適用を一度受けてしまうと、その贈与者が亡くなり相続が発生するまでは、その贈与者については相続時精算課税制度が継続されますので、通常の贈与税の暦年課税制度に戻すことができません。

暦年課税制度では、毎年110万円の非課税枠があるので、毎年100万円程度の贈与を続けて、この積み重ねが2,500万円を超えるような場合は暦年課税制度のほうが有利となりますので、相続対策として生前贈与を考える場合には、どちらを選択するほうが得なのかを考える必要があります。

②財産が値下がりしたときには不利になります。

メリットの①で説明したのと反対に財産が値下がりしたときには、財産が値下がりした相続時の評価額で財産を評価したほうが有利になりますので、相続税精算課税制度を選択してしまった場合には不利になります。

③小規模宅地等の特例が適用できないので、小規模宅地等の特例が適用できる土地の場合は、相続時精算課税制度では土地の評価額が高くなり不利となります。

④不動産を贈与するときには、登録免許税や不動産取得税が発生しますが、相続の場合はこれらのコストがかからないので、これらの税金も考慮して相続時精算課税制度を選択したほうがよいのかどうかを検討する必要があります。

まとめ

相続対策として生前贈与を考えたときに、相続税精算課税制度を選択することは、条件をみたし必要書類をそろえれば適用を受けることができます。ただし、一度選択してしまうと、やっぱり通常の暦年課税制度のほうがよかったと思っても、元に戻すことはできません

相続税精算課税制度を利用するときには、まずは相続時の相続財産とその評価額をシュミュレーションし、生前贈与の方法として、暦年課税制度より相続税精算課税制度のほうがメリットがあり有利だということを確認するとよいのですが、相続のシュミュレーションは専門的な判断が必要です。

どちらの制度を利用してよいのかまよったときには、相続に強い信頼できる税理士に、専門家としてのアドバイスを聞くのも良い方法だと思います。

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