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コラム

特定の財産を特定の人へ~特定遺贈のポイント(2)

2016.7.6
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前回の記事では、特定遺贈(とくていいぞう)のメリットとデメリットについて紹介しました。

特定の財産を特定のある人に遺贈することが出来る「特定遺贈」の制度。上手く活用できればとても便利な制度です。今回は特定遺贈の注意点を紹介していきます。

特定遺贈の注意点

特定遺贈2

(1)特定遺贈を放棄するとき

特定遺贈を放棄する場合には、他の相続人に放棄することを意思表示するだけでできますが、後からトラブルになることもありますので、内容証明郵便で行う方法がよいでしょう。

放棄するかどうか決められずに意思表示をしない場合、他の相続人から期間を定めて、承認するか放棄するかの催促をされることがあります。

この期間中に意思表示がない場合には、特定遺贈を受けたとみなされてしまいますので注意が必要です。

(2)遺贈する財産に変化があった場合

特定遺贈する財産を処分してしまうなど遺産内容に変化があった場合には、その遺言は無効になってしまいます。遺産内容に変化があった場合には、遺言書を書き換える必要があります。

(3)遺言執行者についての注意点

特定遺贈を行うとき、不動産登記の移転や相続財産の管理などを相続人が行えば、遺言執行者は特に必要ありません。

しかし特定遺贈は、特定の財産をある人に遺贈するものですので、ほかの相続人とトラブルになることも多く、不動産登記の移転や相続財産の管理などを相続人がすみやかに行ってくれないケースもあります。

トラブルを避けるためにも、あらかじめ第三者である相続の専門家を、遺言執行者として指定しておくほうがよいでしょう。

(4)遺留分に対する配慮

特定遺贈遺留分を侵害しているときには、遺留分減殺請求の対象となります。

相続人が保証されている最低限の取り分が特定遺贈によって減ってしまった場合には、最低限の取り分が減ってしまった相続人は、最低限の取り分を請求する権利が発生し、これを遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)といいます。

特定遺贈を行う場合、せっかく特定の財産を遺贈するために遺言をしたのに、遺留分減殺請求がされると、その財産の遺贈が難しくなってしまう場合もあります。

特定遺贈でトラブルを避け、特定の財産を確実に遺贈するためには、相続人の遺留分を侵害しないように注意する必要があります。

(5)特定遺贈と相続税

特定遺贈でも相続税はかかってきます。
相続人ではない第三者が特定遺贈をされた場合にも、贈与税ではなく相続税がかかり、通常よりも2割も多い金額となります。この第三者は法定相続人の人数に含まれませんので、相続税の基礎控除の計算にも含まれません。

特定遺贈のまとめ

特定遺贈は、ある人に特定の財産を遺贈するとても便利なものですが、その分、相続でトラブルになるケースも多いのです。

遺留分に対する配慮を行うにも、相続人や相続財産全体について考えなければなりませんし、相続税の計算も専門知識が必要です。相続のトラブルを最小限におさえていくためにも、相続対策を行うときには、早めに税理士などの信頼できる相続の専門家に相談されることをおすすめします。

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