相続・遺言のすべてを分かりやすく。
コラム

相続人の不公平を無くす「特別受益(とくべつじゅえき)」の制度(1)

2016.2.22
文字サイズ:

特別受益とは?

相続人の中に、被相続人が生前から学費や生活費、結婚費用等の贈与を行っていた者がいたとします。

相続が発生した時に、この相続人と他の相続人が同じ割合で相続財産を相続できるとすると、この相続人と他の相続人との間に不公平が生じてしまいます。

この生前に受けていた特別な財産の贈与等特別受益(とくべつじゅえき)といい、これを是正するための制度が民法903条に規定されている特別受益の制度です。

要は、生前贈与を受けていた財産は、相続財産の前渡し分と考えて、遺産分割を行うにあたって、その贈与を受けた財産を相続財産に加えて再計算を行います。この再計算を、特別受益の持戻しといい、加算した額を基に各相続人の具体的な相続分を計算することになります。

持戻しの対象

そろばん

持戻しの対象となるのは、あくまでも被相続人から相続人に対する生前贈与又は遺贈です。

従って、相続人ではない者への生前贈与又は遺贈は、原則的に持戻しの対象外となります。ただし、例外として、代襲相続があった場合等については持戻しの対象となるケースがあります。

特別受益者となるのは?

特別受益者となる可能性がある者は、被相続人から以下の様なケースで特別な財産の贈与を受けた者です。

遺贈

②婚姻や養子縁組のための贈与

③生計の資本としての贈与

①遺贈

遺贈された財産は何のために遺贈されたのか?を問わず、その全てが特別受益の持戻しの対象となります。

遺贈を受けた相続人は、相続に先立って財産をもらっていることになるため、他の相続人との不公平を是正するという制度趣旨から、遺贈された財産の全てが特別受益として持戻しの対象とされています。

しかしながら、上述した通り、持戻しの対象となるのは被相続人から相続人に対するものに限られています。そのため、相続人以外の者に遺贈が行われる場合には、その遺贈特別受益に該当せず、その遺贈を受けた相続人以外の者は特別受益者にはなりません

②婚姻や養子縁組のための贈与

婚姻の際、又は、養子縁組を組む際に贈与を行う人は少なくないといえるでしょう。この際の贈与も特別受益とされるケースがあります。

例えば、婚姻の際に持たせる持参金や支度金、嫁入り道具等も特別受益の持戻しの対象とされています。

一方、婚姻等に関係する費用の内、結納金や挙式費用等といったものは特別受益に該当しないものとされています。

③生計の資本としての贈与

住宅取得資金や大学の学費・留学費用、独立開業時の資金援助等の他、事業承継を行う際の株式の贈与等も特別受益の持戻しの対象とされています。

一方、単なる生活費の援助を受けている様なケースは特別受益の持戻しの対象とはなりません。これは、生計の資本としての特別な贈与ではなく、あくまでも扶養義務者による扶養義務の履行と捉えられているからです。

 

さて、今回の記事では特別受益の概要と特別受益の持戻しについて説明いたしました。

「特別受益の持戻し」ですが、必ず行わなければならない、という制度ではありません。次回の記事では「持戻しの免除」とその手続きについて解説していきます。

※続きはコチラ→相続人の不公平を無くす「特別受益(とくべつじゅえき)」の制度(2)

facebook発信中

相続のバイブルはfacebookページでも、見逃せない相続情報、ぜひ活用したいと評判のセミナー情報などを発信しています。
SNSのみの事例紹介やご相談も発信中。フォローお待ちしています。

相続のバイブルfacebookページ