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コラム

相続税を納付しすぎた時の対応、更正の請求について(1)

2017.3.27
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相続税の申告をしたあとで、あとから間違えて申告してしまったことに気がついたときには、どうしたらよいのでしょうか。

相続税の申告は複雑で、財産評価のミスや特例の適用ミスなどがあり、あとから間違いに気がつくこともあります。相続税の申告は被相続人が亡くなってから行われるので、どれだけ財産があったかを本人に確認することができないことも大きな理由です。

申告したあとに間違いに気づいたときには、修正申告更正の請求(こうせいのせいきゅう)を行うことになります。今回は、この「更正の請求(こうせいのせいきゅう)」について詳しく見ていきたいと思います。

相続税の「更正の請求(こうせいのせいきゅう)」とは?

更正の請求1

「更正の請求(こうせいのせいきゅう)」は、申告によって納付した税金が多すぎた場合に、税務署に税金の還付を請求する手続きです。

相続税を多く払いすぎたからといって、税務署が気づいて還付をしてくれることはありません。納付した税金が多すぎたと気づいたときには、税金を還付してもらうために、納税者が更正の請求をしなければならないのです。
これとは反対に納付した税金が少なすぎた場合には、「修正申告」をすることになります。

納付した税金が少なすぎて追加で税金を払わないといけないときに気づいたときには、税務署から指摘を受ける前に早めに自主的に修正申告をしないと、加算税がかかってしまいますので、気をつけましょう。

修正申告をしてあとから追加で納付する税金については、利息にあたる延滞税かかりますが、2か月以内であれば大幅に軽減されます。

更正の請求を行うことのできる期間

相続税の更正の請求をして納付しすぎた税金を還付してもらおうと思ったとしても、いつでも更正の請求ができるわけではありません。
更正の請求を行うことのできる期間は決まっていて、期間内に更正の請求をしなければなりません。期間には、通常の場合と特別な事情がある場合の2つの期間があります。

(1)通常の場合

相続税の更正の請求を行うことのできる期間の原則は、相続税の申告期限から5年以内です。

相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内ですが、通常、被相続人が亡くなった日が相続の開始を知った日となるので、被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内と考えます。
つまり、更正の請求は10か月プラス5年で、被相続人亡くなった日の翌日から5年10か月以内に行わなければならないのです。

また、平成23年12月1日以前に申告期限のくる申告については、申告期限から1年以内となりますので、申告期限が平成23年12月1日以前かについても確認するようにしましょう。

※参考:国税庁ウェブサイト 更正の請求期間の延長等について

(2)特別な場合

相続税の更正の請求は後発的理由など特別な理由が発生した場合には、その特別な理由を知った日の翌日から2か月または4か月以内となります。
2か月か4か月かは、特別な理由の内容によって変わってきます。

(1)の5年10か月の期間をすぎていても、特別な場合にはその理由を知った日の翌日から2か月または4か月まで、更正の請求を行うことのできる期間が延長します。

特別な理由の代表的なものとして、相続税の申告期限までに相続財産の分割の話し合いがまとまらなかった場合が考えられます。

この場合には、仮で申告をすることになるので、遺産分割の話し合いがまとまってから更正の請求をすることになります。
5年10か月がすぎている場合には、遺産分割まとまった日の翌日から4か月以内が更正の請求を行うことのできる期間になります。

その他にも、あとから遺言書が発見された場合、遺留分の減殺請求による返還があった場合などがあげられます。

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ここまで更正の請求の概要と期間について説明してきました。次回は更正の請求の対象となる人、具体的な手続きの流れについて解説をしていきます。
ぜひご覧ください。

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