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コラム

相続発生時の年金手続きのポイント(1)

2016.7.11
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「相続」はさまざまな「手続き」を必要とします。公的年金もそのひとつで、被相続人の死亡によって支給が発生する年金があり、反対に支給が停止する年金もあります。これまで受け取れるはずだった年金を、未支給年金として遺された家族が受け取る手続きを要する場合もあります。

公的年金は、遺された家族にとって生活の拠り所となるお金でもあります。特に最近は被相続人が有していた銀行口座が、個人情報管理の厳格化により、家族からの請求から開示まで一定の時間がかかることも多くなっているようです。相続本体をスムーズに進めるためにも、相続発生時の年金手続きのポイントをおさえましょう。

なお、一般的に「相続発生」とは、それまで生存していた人が死亡して、所有していた財産が遺言書によって、もしくは相続人同士の話し合いによって(遺産分割協議書を作成して)、「財産の受取人がすべて決まった」時点を指します。

今回の年金手続きは、厳密にいえば相続ではなく、「死亡そのもの」をもって各種手続きの必要なタイミングとなります。これら死亡発生から相続には1年以内の期間しかないケースが多いので、大枠で「相続」と捉えるようにしましょう。

「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」

年金1

公的年金を支払っていたものからの相続が発生した場合、「遺された家族」には、遺族年金を受け取る権利が発生します。遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。

(1)遺族基礎年金

遺族基礎年金は、死亡した人によって生計を維持されていた、(1)子のある配偶者、および(2)子に支給されます。長く(1)は「子のある妻」だったものの、最近は主夫として子どもを育てる男性も増えており、対応が進み「子のある配偶者」に変わりました。

これら遺族基礎年金の受給資格に該当する遺族には、子どもが18歳に到達した年度の3月31日まで、遺族基礎年金を受け取ることができます(また、20歳未満で障害年金の障害等級が1級または2級の子も含まれます)。

<遺族基礎年金の受給額>

780,100円+子の加算額(年額:平成28年4月から)

第1子、第2子…各224,500円

第3子以降…各74,800円

(2)遺族厚生年金

一方、遺族厚生年金は遺族基礎年金に比べ、支給範囲が広く設定されています。基本的な受給者の範囲としては、遺族基礎年金と同じく、死亡した人に生計を維持されていた、(1)妻、(2)子や孫、(3)55歳以上の夫、父母、祖父母が対象です。

(2)の子・孫の範囲は遺族基礎年金と同じく18歳に到達した年度の3月31日まで(または20歳未満で障害年金の障害等級が1級または2級の子)となっており、(3)の夫、父母、祖父母に関しては支給開始年齢が60歳からとなっています(夫は前項の遺族基礎年金受給中に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できます)

<遺族厚生年金の受給額>

遺族厚生年金の受給額は、死亡した人の一定期の収入(報酬比例月額といいます)によって異なります。詳しくは下記、日本年金機構のホームページを参照してください。

参考:日本年金機構Webサイト 遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)

これら遺族基礎年金、遺族厚生年金の手続きにおけるポイントは、思いのほか煩雑な計算式のため(特に遺族厚生年金)、早めに市役所や日本年金機構に相談することです。自身で計算できない場合も、行政機関にて計算式や受給予定額を教えて貰うことができるところも多いでしょう。

また、社会保険労務士(社労士)という専門家も、このあたりの専門的な知識を有しており、重要な相談先となるでしょう。

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改めて整理してみると、相続における年金関係の手続きの煩雑さがわかりますね。次回は寡婦年金、死亡一時金、未支給年金について解説していきたいと思います。

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