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コラム

複数の相続資格があるとき、相続分はどうなる?(1)

2016.10.17
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「相続資格の重複」とは、1人の相続人に相続資格が複数帰属することをいいます。要は、1人の相続人が2以上の相続資格を満たした状況をいいます。

それでは、相続資格が重複している場合において、その相続人相続分は一体どうなるのでしょうか?

相続「人」を重視して1人につき1口しか相続分が認められないのでしょうか?それとも、相続「資格」を重視して同一人物であっても複数の相続分が認められるのでしょうか?

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結論としては、相続資格の重複については様々な学説があり、統一された基準はありません。従って、相続分の加算が認められるケースもあれば、認められないケースもあります。しかしながら、実務上は、相続資格の重複を肯定するケースがほとんどで、それぞれの相続資格について相続権の主張が認められるとすることが一般的です。

以下、具体例を見ていきましょう。

養子と代襲相続人としての相続資格の重複(孫養子)

今回は、Xに子A・子B・Aの子C(Xの孫)がいるケースを想定してください。

XはCにも相続財産を分割したいと考え、Cを養子にすることにしました(孫養子)。これにより、自分の孫を「子」とすることができるため、Xの相続財産はA・B・Cそれぞれに3分の1ずつ分割されることになります(法定相続分)。

ところが、Xの相続が発生する前に、A(Cの親)が亡くなってしまいました。その後、Xが亡くなりXの相続が発生した場合において、Cは子(養子)としての相続資格を持つと共に、Aの代襲相続人としての相続資格も持つことになります。このケースにおいて、Cはどの立場の相続権を主張できるのでしょうか?

今回の場合、Cは両方の立場から相続権を主張することができます。すなわち、Cに対して相続分の加算が認められているのです。つまり、「子」としての相続分がBとCにそれぞれ3分の1ずつ、及び、「代襲相続人」としての相続分がCに3分の1(結果的にCは3分の2)が法定相続分となります。

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今回取り扱った「孫養子」のケースでは、相続資格の重複が肯定されました。

次回の記事では「兄弟姉妹間の養子縁組」と「実子と養子が婚姻した場合」について解説していきます。これらのケースでは相続資格の重複はどのように扱われるのでしょうか?詳しくは続きの記事でご確認ください。

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