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コラム

相続財産に借金がある場合はどうしたらいい?(2)

2016.2.3
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※前回の記事はコチラ→相続財産に借金がある場合はどうしたらいい?(1)

前回の記事では、相続財産にマイナスの財産(消極財産)がある場合、「プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しない」という「相続放棄(そうぞくほうき)」という方法が使えることを説明しました。

今回は「プラスの財産の範囲内で債務を引き継ぐ」方法、限定承認(げんていしょうにん)について説明をしていきます。

相続人が借入金を「返す」とき

家通帳

さて、相続放棄をしない相続人はいるのでしょうか?筆者も実務家として仕事をする前は、「相続資産がマイナスならばみんな相続放棄をすればいい。負債は相続人が原因ではない」と考えていました。

ただ、実際に相談に乗ってみると、親が長年お世話になった地元の金融機関や、知人からお金を借りている場合があります。

このときに相続人には、「全額返すことはできないけれど、他の財産分の範囲に限定して負債を引き受ける」という形の相続をすることができます。これを「限定承認」といいます。

限定承認(げんていしょうにん)について

限定承認相続放棄と同じく、相続開始時から3カ月以内の表明が必要です。上記のような理由で財産(資産・負債)を引き継ぐ時は、限定承認を活用すると良いでしょう。

また、「資産と負債の額が定かではなく、資産の範囲内で負債を受けたい」という場合は、予め「限定承認申述書」を提出しておく必要があります。この手続きをしておくと、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を受け取ることが可能です。

※「限定承認申述書」の詳細はコチラ(裁判所ホームページが開きます)→相続の限定承認の申述書

相続人が複数いる場合の注意点

相続人が複数の場合は、相続の計算もとても複雑です。相続は、相続人の数によって控除される「基礎控除」の額が変わります

相続税基礎控除=3,000万円+法定相続人数×600万円

また、「みなし相続財産」と言われるものもあります。

これは、亡くなった親の支払者、相続人を受取人とした終身保険や、相続前3年以内の贈与財産などです。

相続人が全員集まらず、とても時間が足りないケースもあるでしょう。相続人が複数の場合、相続開始後3カ月以内にこれらの把握が追いつかないことがあります。「なんとなく負債がありそう」という場合もあるでしょう。それらは限定承認をして、プラスの分だけ負債を支払う旨を表明しておく必要があります。

まとめ…消極財産(マイナスの財産)の注意点

相続に負債がある場合、対策としての相続放棄および限定承認についてお伝えしました。

相続開始後、最も重要なのは「3カ月」というタイトなスケジュールです。特に消極財産(マイナスの財産)がある場合、この対応はとても大切です。

この期間に相続放棄限定承認が必要か、それとも表明のいらいない「単純承認」でいいのかを判断しないと、親世代の借入金を引き継いでしまうおそれがあります。親の亡くなった直後は悲しみの只中ですが、この部分だけは迅速に、かつ正確に手続きを進めていくことが必要です。

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