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コラム

限定承認(1)~相続の方法は、相続の承認か放棄だけではない!?

2016.5.30
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相続は、承認するか放棄するしかなく、借金が多いときには放棄をしたほうが良い、と思われている方も多いと思います。

じつは、相続の方法には、単純承認をするか相続放棄をするかだけではなく、「限定承認(げんていしょうにん)」という方法もあります。

今回は、限定承認はどのようなものかを解説したいと思います。

限定承認とは

限定承認1

限定承認とは、相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐことです。

かんたんにいうと「プラスの財産の範囲内だけで相続する」方法といえます。

相続の承認の方法には、まず「単純承認」という方法があります。

この場合には、被相続人の一切の権利義務を承継しますので、プラスの財産もマイナスの財産(借金)も、すべてそのまま引き継ぐ方法になります。

つぎに、「相続放棄」という方法もあります。

放棄ですので、プラスの財産もマイナスの財産(借金)も引き継がない方法です。

あきらかに借金が多い場合には、「相続放棄」を選ぶケースが多いのですが、あとで多額の借金が見つかる可能性があったりなど、相続財産がプラスになるかマイナスになるか分からない場合には「限定承認」は便利な方法です。

限定承認を利用すると良いケース

(1)相続財産がプラスになるかマイナスになるか分からない場合

たとえば借金がたくさんあって整理されていない場合、消費者金融などに対する過払い金が発生している場合があります。

過払い金がある場合には、過払い金を返してもらえるように請求できます。しかし、借金を整理して利率を計算しなおしたり、法律上の返還請求をしたりして、実際に回収してみないことには相続財産がプラスになるかマイナスになるか分からない場合には、「限定承認」を利用することがあります。

(2)特定の財産を残したい場合

たとえば自宅と借金があり、自宅だけ相続したい場合が考えられます。

借金が多すぎて支払うことができない場合、相続放棄をすると自宅の相続権も失ってしまいます。しかし、限定承認の場合は、「先買権」という制度が認められていて、家庭裁判所の選任した鑑定人が評価した自宅の価額を支払うことで、自宅を確保できるのです。

(3)借金が多い場合

相続財産があきらかにマイナス(借金)が多い場合には、相続放棄を利用することが多いのですが、相続放棄をすると、次の順位の相続人に相続権がうつってしまうので、次の順位の相続人も相続放棄の手続きをしなければならなくなります。

借金が多くて、少ない人数の手続きだけで相続の手続きを終わらせたいという場合に、限定承認が利用されることもあります。

限定承認の手続き

限定承認は、相続の開始を知った時から3か月以内に行わなければなりません。また、相続人の全員が共同で申請しなくてはならず、家庭裁判所での手続きも複雑です。

限定承認を検討されている場合には、事前に専門家に相談し、財産や借金を調査し、共同相続人との連絡をとっておくなどの対策をとる必要があります。

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