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コラム

土地の値段の調べ方は?~相続税路線価について(1)

2016.5.17
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東京五輪が近づいていることもあるからでしょうか、新聞などで「土地の値段があがっている」という言葉を聞くことがあります。

この土地の値段、使用用途に分かれて、何種類かあることはご存知でしょうか。今回はいわゆる「土地の値段」と、そのなかで相続時に使用する「相続税路線価」についてお伝えします。

土地の値段は「一物四価」

路線価1

土地の値段は、よく「一物四価(いちぶつよんか)」といわれています。対象となる土地は一種類でも、状況に分け4つの「値段算出方法」があるという意味です。

(1)時価(実勢価格)

実勢価格とは、実際の取引が行われる価格です。不動産の世界においての「時価」を指します。この実勢価格を決めるのは国でも地方自治体でもなく、「売主と買主」です。それぞれが納得した額で取引価格が決まります。

ただ、まったく根拠のないままに価格が決まるものではありません。

売主側は近隣の売買価格や国の算出額をもとに「相場額」を弾き出し、売却する土地の「値付け」をします。買主はその値付けを判断材料として土地購入の意思決定をし、時には「指値」という減額交渉をすることによって、値段が決まっていきます。

(2)公示価格

公示価格は、国土交通省が公示する公的価格のことです。公示地価ともいいます。公示価格は、全国から標準的な値段をつける「標準値」として算出された3万数千地点について、毎年1月1日時点の額を不動産鑑定士が調査し、土地鑑定委員会という専門の組織での判定を踏まえて、毎年3月下旬に発表します。

毎年3月頃に「今年の地価は上がった(下がった)」、「今年も日本で一番地価が高かったのは銀座の交差点」と報じられるのは、この公示価格の発表なのですね。

直近2016年の公示価格は、商業地や住宅地問わず公示価格が高くなり、「上昇基調」の傾向が強くなりました。また、2011年に発生し、甚大な被害をもたらした東日本大震災の被災地も上昇に転じたところが多かったのも、特徴的といえるでしょう。

なお、国が算出する公示地価のほか、毎年3月には都道府県が調査する「基準値価格」もあります。この価格は、公示地価で抑えられない場所を算出する「補完的役割」があります。基準値価格の発表は毎年7月に行われます。

(3)相続税路線価

今回のタイトルにもなっている相続税路線価は、短縮して「路線価」ともいいます。路線価は、相続税や贈与税の算出基準となる価格です。

たとえば土地や不動産を所有する人が亡くなった場合、「財産」は次世代に承継する必要があります。その財産にはいわゆる現金だけではなく、土地や上物(建物)といった「不動産」も次世代に「所有権移転」をする必要があります。この時の財産額に対し相続税がかかるため、「その資産は相続税上いくらなのか」を算出する必要があります。この時の額が相続税路線価です。

相続税路線価の評価方法は(不動産は値をつけることを「評価」といいます)、行政機関に保存している「路線価図」にある1㎡単価(千円単位)に敷地面積を掛けて算出します。

路線価がついていない場所は固定資産税に一定の倍率を掛けて算出します。このため、相続税評価額の算出方法は「路線価方式」と「倍率方式」の2種類があるといわれています。

(4)固定資産税評価額

固定資産税評価額は、固定資産額の計算において、基準額となる算出方法です。

市町村では、土地や家屋について「固定資産課税台帳」に課税価格などを登録しています。この価格のことを「固定資産税評価額」といいます。

固定資産税評価額は、3年に一度課税価格の変わる「評価替え」があります。大規模な被災などで著しい地価の変更があった場合を除き、3年間は前回の評価替え時の額が引き継がれます。

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ひとくちに「土地の値段」と言っても、複数の評価方法があり、状況によって使い分ける必要があることがわかりますね。

次回の記事では、このサイトのテーマでもある「相続」に使用する相続税路線価を調べるにあたっての注意点をお伝えします。

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