相続・遺言のすべてを分かりやすく。
コラム

被相続人の入院費用はどのように取り扱う?(1)

2016.12.19
文字サイズ:

相続時に、被相続人が亡くなる前に入院していた、ということはよくありますよね。そのときの入院費用は、どのように取り扱うのでしょうか。

入院費用についての基礎知識

%e5%85%a5%e9%99%a2%ef%bc%91

入院する前や、入院しているときには、体調がよくなることを信じて入院するわけですので、相続時の入院費用がどうなるかまで、なかなか気がまわらないかもしれません。

しかし、亡くなったあとは、遺族は悲しい気持ちと葬儀の手配などの忙しい気持ちの中で、亡くなる前よりももっと、入院費用について考える時間はないといえるでしょう。

いざというときにあわてなくてすむように、事前に入院費用についての取り扱いの知識をもち、対策をしておくことで、病気の治療に専念することができます。また、正しい知識を持つことで、亡くなったあとも入院費用のことであわてなくてすみます。

入院費用の取扱いは、相続開始前と相続開始後では、取扱いが異なります

故人が亡くなる前、つまり相続開始前に支払った分は、準確定申告(じゅんかくていしんこく)を行うときの医療費控除として取り扱われます。

故人が亡くなったあと、つまり相続開始後に支払った分は、相続税の計算をするときの債務として控除します。

もし、医療費の負担を家族の方がする場合には、その家族の方と故人の生計が一緒であれば、家族の方の医療費控除の対象になります。これらの取扱いについて、わかりやすく解説をしていきます。

相続人が医療費の負担をした場合

確定申告時の医療費控除

相続人が被相続人(故人)の医療費を負担していた場合、相続人が確定申告をするときに、医療費控除としてその医療費を控除することができますが、条件があります。

まず、相続人が被相続人と、生計が一緒である必要があります。

このことを「生計を一にする(せいけいをいつにする)」といいます。生計が一かどうかは、同じ家に同居しているほか、同居していなくても、生活費を送金しているという事実があれば生計を一にしているとみなされます。

被相続人と生計を一にしていた相続人が医療費を負担した場合には、その相続人の医療費控除の対象となります。

医療費控除とは、医療費が多くかかった場合に、医療費の一部を税金を計算するときに所得から控除できる制度です。

一年間に支払った保険料から、保険金などで補てんされた分を差しひいた金額が、10万円(所得金額が200万円未満の人は、所得金額の5%)を超えた場合に、超えた金額をその年の所得から差しひくことができます。ただし、上限があり、200万円までしか控除することができません

相続税の債務控除

相続人が被相続人(故人)の入院費用を負担した場合には、相続開始前の支払いであれば、相続人に対する債務として債務控除することができます。

ただし、相続人に対する債務として債務控除することができるのは、後日、相続人に対して清算する予定で立て替えていた分だけですので、扶養義務者間の支払いについては、立て替えではなく当然に支払うべきものと考えられ、この制度の対象とはなりません。

入院費用は、被相続人(故人)が亡くなられたあとで、相続人が支払うケースがほとんどです。

この場合には、病院に対する債務として債務控除をすることができ、まだ未払の分についても控除することができます。

—–

それでは被相続人(故人)が医療費の負担をしていた場合はどうなるのでしょうか?次回の記事で詳しく解説します。

facebook発信中

相続のバイブルはfacebookページでも、見逃せない相続情報、ぜひ活用したいと評判のセミナー情報などを発信しています。
SNSのみの事例紹介やご相談も発信中。フォローお待ちしています。

相続のバイブルfacebookページ