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コラム

「教育資金贈与」の基本~要点とメリット・デメリット(1)

2016.2.15
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受験シーズンも本格化し、卒業や新年度の入学について考え始める時期となりました。

今回は生前贈与の仕組みの中でも関心が高い、「教育資金贈与」について取扱います。

この制度、正確には「直系尊属からの教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置」といいます。2013年4月1日以降導入された非課税措置で、2019年(平成31年)3月31日までの贈与が対象となっています(終了期限は延長される可能性があります)。

教育資金贈与の概要

入学式

期間内、通常の贈与は贈与税の基礎控除(上限110万円)を超える分について、贈与税が課税されます。

他方、教育資金贈与は、直系尊属(父母、祖父母など)から30歳未満の子や孫への教育資金の贈与について、1,500万円までの金額が非課税になる制度です。

贈与の世界では、相続開始3年以内の贈与について「相続財産に課税する」という決まりがありますが、この教育資金贈与に該当する贈与については、加算する必要がありません

ただし、教育資金として贈与した金額のうち、子や孫が30歳に達したときなど「教育資金管理契約が終了した場合」、教育資金以外に消費した金額や、使いきれなかった金額は、通常の贈与税の課税金額に算入されます。つまり、1,500万円の非課税上限枠ばかりを意識するのではなく、「教育資金として使う金額を計算して贈与する」ことが肝要です。

通常贈与との違い

それでは、この教育資金贈与がなかったと仮定して、1,500万円の贈与にはどれくらいの税金がかかるのでしょうか。計算してみましょう。

先にお伝えしたように、贈与税は課税対象金額から上限110万円の基礎控除が引かれます。

その残額に対し、定められた贈与税が課税される仕組みです。通常の贈与税額表のほか、直系尊属からの贈与は税額が緩和されるため、今回はその緩和税額をもとに計算します。

※贈与税額の早見表はコチラ→ひと目でわかる!贈与税額早見表【保存版】

■  平成27年以降の直系卑属(20歳以上)への贈与税額速算表

基礎控除後の課税価額 税率 控除額
~2,000万円以下 10% なし
2000万円超-3,000万円以下 15% 10万円

国税庁サイト(https://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4408.htm)をもとに筆者作成

1,500万円 - 110万円 = 1,390万円×贈与税率

基礎控除を引いた課税対象は1,390万円のため、税額は10%。控除額がないため、139万円を贈与税として納めなくてはなりません。

現時点で財産を有しているが購買意欲が(若い世代と比較して)低い高齢者層から、所有財産は低いが購買意欲が高い若年者層への財産移転を目的として、贈与税は全体を通しても引き下げ傾向にあります。

ただ、少しでも税金がかかると贈与の動きはブレーキのかかる傾向が強いため、この139万円がかからない、教育資金贈与の非課税措置がとても効果的なことがわかります。

さて、贈与の動きの促進への貢献が高そうなこの「教育資金贈与」の制度。デメリットもあるのでしょうか?

次回の記事では、教育資金贈与制度のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

※続きはコチラ→「教育資金贈与」の基本~要点とメリット・デメリット(2)

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