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コラム

災害による被害を受けた場合の相続税の特例(2)

2016.6.22
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前回の記事で、国税庁HPに掲載されている「災害を受けたときの相続税の軽減(外部サイトが開きます)」の概要をご紹介しました。

この特例は「法定申告期限の前なのか、後なのか」によって、適用される内容が変わってきます。詳しく確認してみましょう。

法定申告期限の前か後かがポイント

災害2

相続税の「法定申告」とは、相続があったことを知った日から10カ月以内です。この期限には延納などの特別措置はありますが、基本はこの期限までに相続資産をどうするのか、誰が引き継ぐのかを決めていかなくてはなりません。

災害と相続税の関係においても、この法定相続期限の前なのか、過ぎているのかによって扱いは変わってきます。

(1) 法定申告期限前に災害があった場合

法定申告期限前に災害があった場合は、相続等により取得した財産の価額から、被害を受けた部分で、保険金・損害賠償金等で補てんされなかった部分の価額を控除して、課税価格を計算することとなります。

なお、この特例を適用される方は、相続税の申告書に、被害の状況や被害額等を記載し、原則として申告期限内に提出する必要があります。

(2) 法定申告期限後に災害があった場合

法定申告期限後に災害があった場合は、災害のあった日以後に納付すべき相続税額で、課税価格の計算の基礎となった財産の価額のうち、被害を受けた部分で、保険金・損害賠償金で補てんされなかった部分の価額に対応する金額が免除されることになります。

ただし、災害があった日以後に納付すべき相続税額には、延滞税などの附帯税や、災害があった日現在において滞納中の税額は含まれません。なお、免除を受けようとされる方は、被害の状況や被害額などを記載した申請書を、災害のやんだ日から2カ月以内に、納税地の所轄税務署長に提出することになります。

出典:国税庁 災害を受けたときの相続税の軽減

この難しい条文を解説しましょう。前述の通り、相続税において「相続を知った時から10カ月」である法定申告期限は、災害と相続税の関係においてもとても大切です。

(1)の法定申告期限前に災害があった場合は、基本的にその被害額を「控除」して相続財産として申告します。一方、(2)法定申告期限後に被災した場合は、期限後に収める相続税額が減額および免除の対象となります。

なお、「災害がやんだ日から2カ月以内」という期限が気にかかりますね。熊本にも相次ぐ余震のニュースを見ていると、「ここで災害が終わり」と定めるのは難しいと思います。このあたりは、実務において柔軟に対応されているようです。

万が一、「既に相続税として支払ってしまっている場合」も、税金は所定の手続きを経ると、納めたお金が戻ってくる可能性が高いです。これを還付といいます。

手続きは最寄りの税務署に相談を

基本的なルールはわかっていても、実際に相続対応で大変なタイミングで、被災が重なったとすると、心労も著しく、「どうしていいのかわからない」となってしまいます。被災をして落ち着いたら、相続も被災も含めて、「最寄りの税務署に相談する」ようにしましょう。

今回の制度だけではなく、ほかに設定されたさまざまな支援について説明が受けられるかもしれません。

「相続税と災害の関係を理解してから」と考える必要はありません。

「被災のタイミングで相続税があって」と伝えると、税務署の窓口に、丁寧に説明して貰えることでしょう。手続き以上の負担感を感じることなく、「手離れ」を意識することが大切ですね。

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