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コラム

相続税対策に最適な生命保険の種類とは?(2)

2016.11.16
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今回の記事でも前回と同じケースを使って考えていきましょう。

≪参考ケース≫

Aさんが死亡し、奥様のBさん、子どものCさんとDさんが相続するご家庭。生前Aさんは、5,000万円の生命保険に加入していました。生前Aさんが保険料を支払い、保険料の受取人は妻のBさんとしていました。

どのくらいの金額の生命保険から相続税がかかるのか

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上記のケースでは、法定相続人の数は奥様、お二人の子どもとあわせて3人となります。生命保険の非課税枠は1人あたり500万円のため、500万円×3人で1,500万円を超えた生命保険金が課税対象となります。実際は相続人ごとに受け取った生命保険金の按分額から非課税枠を按分し、残った金額がその相続人において課税対象の生命保険金額となります。

その相続人が受け取った生命保険金の金額 - 非課税限度枠

= その相続人が受け取った生命保険金の金額 / すべての相続人が受け取った生命保険金の合計額

= その相続人の課税される生命保険金の金額

参考:国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4114.htm

相続税対策に最適な生命保険の種類とは?

ここまで「生命保険」としてきましたが、相続資産として活用できる最適な生命保険は「終身保険」です。

保険加入者、保険料支払者が親世代で、保険金受取人が配偶者および子世代という「相続税の対象となるケース」のみ非課税枠を活用することができます。そのため、相続税対策における生命保険金は、「死亡退職金」と言い換えることもできます。

たとえば定期保険のように、保険加入者、保険料支払者がAさんとします。定期保険が満期を迎え、Aさんが満期保険金を受け取って仮にすぐ亡くなった場合は、これらの保険金は現金の相続と見なされ、非課税枠の活用はできません。相続税対策として生命保険を活用する場合は、「誰が保険金を受け取るのか」が大切です。このあたりのスキームを間違えると、そもそも相続税対策としては意味を成さないものとなりますので、注意するようにしましょう。これは定期保険のほか、学資保険や養老保険も同様です。保険金受取人が誰なのかは念を押して確認するようにしましょう。

中小企業の事業承継にも活用できる生命保険

相続税対策の生命保険は、中小企業の事業承継としても活用することができます。これまでと同じように、実際の相続案件のケースをもとに見ていきましょう。

中小企業の自社株を100%有するAさんがいます。将来的にAさんが亡くなったとき、法定相続人の按分に従うと、配偶者のBさん、子どもCさんとDさんに自社株が配分されることになります。ただ、子どもに自社株を「配分」すると将来的に争いになる可能性があり、家族の意向としては長男であるCさんに全株を承継させたいところです。ただ、Dさんに株を渡さないためには相応の現金を準備する必要がありますが、現在の業績では難しいところ。

この時に、「法人保険」を活用することができます。

Aさんを保険加入者、保険料支払人とします。このときに保険金の受取人をDさんとすることで、Dさんの承継できる相続財産分を満たすことができ、自社株はCさんに承継させることができます(もちろん、Dさんを含めた親族全員の同意は必要です)。

この法人保険は、自社の役員を保険金受取人とし、死亡退職金を確保する方法としても使うことができます。中小企業にとって役員の退職金を確保するのは難しいもの。当然保険に加入しているあいだは保障の範囲内となりますので、保障性を維持しながら退職金の原資を作ることができます。実際に、これらは相続税対策の非課税枠を使うことができるため、活用している中小企業は多いです。

まとめ

相続税の基本を抑えながら、相続税対策に最適な生命保険の種類を考えました。個人の場合のみならず、法人保険としても活用できるこの特徴を理解し、相続時に活用して頂ければと思います。また、これらは一見手軽そうで、細かい点にも注意しなければならない相続税対策です。周辺知識に精通していて、かつ対応実績の豊富な税理士やFP(ファイナンシャルプランナー)に依頼することが大切です。

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