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コラム

遺言書で生命保険の受取人を変更するには?(1)

2016.10.24
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相続・贈与対策において生命保険の活用はとても大切です。ただ、時間を経て生命保険金を渡したい(遺したい)家族が変わることもあります。その時に、現在資産を有している人が遺す「遺言書」で、生命保険の受取人を変更することは可能なのでしょうか。

生命保険の受取人を決める基本的な方法

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生命保険の受取人は原則、保険の契約時に決定します。相続の対象者ではなくても保険金の受取人とすることはできますが、受取人によってかかる税金が異なります

たとえば「夫」「妻」「子」の3者がいるとしましょう。生前保険料を誰が払っていたのか。誰が契約者になっていたのか。そして誰が保険金受取人となっているのかによって、課税される税金は変わります。

保険料支払者 保険契約者 保険金受取人 税金
所得税
妻・子 相続税
贈与税

保険契約時に上記の表による税金面も見ながら、生命保険の受取人を決めていきます。

これら保険契約の内容は、基本的に保険手続きのなかで変更手続きを完了して初めて変更が効果を生じられました。

例外が「遺言」です。

以前は遺言によって保険金の受取人を変更することには法律上の定めがなかったのですが、相続において優先される意思決定である遺言で「保険金受取人は〇〇に」と記されていた場合、相続の現場では保険契約とどちらを優先するか問題になっていました。

実際に生命保険会社の保険金支払手続きにおいて、保険契約と遺言で保険金受取人が異なっていた場合は、実際に受取人に意思確認をして、(優先されると考えられる)遺言の記載通りに保険金を支払って問題ないか確認がとられていました。

遺言書による受取人変更の概要

この混乱を受け、平成22年に保険法が制定され、遺言で保険金受取人の変更ができるようになりました。

たとえば生前に意思表明がなく、「保険金受取人を〇〇に変更する」と遺言にはじめて記載されていた場合は、保険会社は遺言に記載された相続人に変更の意思を確認し、保険金を支払います。ただ、たとえば遺言が発見されるまでに時間がかかり、その間に保険会社が従来に定められた保険金受取人に保険料を支払ってしまった場合は、再度保険金が支払われることはありません。

それではこの制度を効果的に利用するにはどうしたらよいのでしょうか?次回の記事で、制度を利用するにあたっての注意点を解説していきます。

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